【明治東京恋伽】月夜と黒猫のワルツ (ページ10)

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明治時代の有名人達ページ10

チャ「やあ、いきなり有名人とご対面だね。」

貴「うわぁぁぁ！？」

いきなり背後からすっと現れたチャーリーに心臓が飛び出るほど驚いた。

貴「ち、チャーリー！？どこいってたの！？」

チャ「うん？そりゃご馳走を食べにね！それより今の二人組……小説家の森鴎外と画家の菱田春草だね」

なるほど。
だから名前を聞いたとき違和感を感じたんだ。

森鴎外、菱田春草。

この二人は現代でも教科書に載るほどの有名人だ。

チャ「今夜のパーティーは凄い顔ぶれを揃えているようだね。あそこにいる学生服の彼は、幻想作家の泉鏡花だ。」

チャーリーの指を指す方を見てみると学生服をきて肩にうさぎのぬいぐるみを乗せた少年がとても不機嫌な様子で仁王立ちしていた。

その後ろから茶髪の男性が少年に声をかける。

今まで見てきた人皆顔が整っているが、あの人はあの人でまた一段と整っている。

特に綺麗にされた肌はまるで女の人のようだ。

チャ「彼は川上音二郎、新進気鋭の若手役者なのさ。」

貴「へぇ………というかチャーリー、凄く詳しいんだね」

チャ「うん。それはね？前にもこの時代に来たことがあるからさ」

貴「前科があったかぁ………」

あのマジックのせいで飛ばされた人は他にもいるらしい。

その人達に同情をした。

貴「そういえばチャーリー、芽衣ちゃんは………」

すっかりMYエンジェル(芽衣ちゃん)のことを忘れていた。

居場所を聞こうと振り返ったのだが、チャーリーは再び忽然と姿を消している。

貴「またかよっ！？」

またご馳走でも食べに行ってるんでしょうね……呆れながら笑っていると。

「……おい、娘。名前を言え。どこの門閥の者だ」

低くて冷たい声に一気に周りが静かになる。

なんだろう………とても嫌な予感が………

貴「………！？」

来場者の目線を追うとそこには芽衣ちゃんとサーベルを腰に携えた緑の髪の男性が立っていた。

しかもかなり険悪なムード。

？「なぜ答えない、娘。場合によっては官吏抗拒の罪に問うぞ。」

答えたくても答えられない。
きっと芽衣ちゃんは涙目なのだろう。

「そうか、どこまでも黙秘を貫く気だな。ならばやむを得ん。暑まで同行願おう。」

貴「っ！芽衣ちゃん！！」

連れていかれそうになる芽衣ちゃんを見て
つい我慢できずに飛び出す。

芽「A…さんっ……」

不安で今にも泣きそうな芽衣ちゃんを背中に庇い緑髪の男性と対人した。