【明治東京恋伽】月夜と黒猫のワルツ (ページ8)

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鹿鳴館へようこそ。ページ8

チャ「はい、到着～」

貴「うわぁ……」

連れてこられたのはとても立派な建物。
中に入っていく人は皆スーツやドレスを着用していて、私達が場違いに思えてくる。

チャ「ははっ、どうしたの？ハトがマシンガン喰らったような顔してるけど」

貴「鳩がマシンガン喰らったらそりゃ驚くでしょうね」

というか確実に死んじゃうと思うんだけど………

チャ「鹿鳴館へようこそ。お嬢さん」

芽「鹿鳴館………」

芽衣ちゃんが呟くのと同時に私も鹿鳴館を見上げる。

鹿鳴館。

確か空襲で焼失して、現代にはもう残っていない筈だ。

まさか本当に明治に……？

チャ「というわけで、早速侵入してみようか」

貴「今凄く不吉な言葉が聞こえたんですが？」

チャ「ああ、言い方が悪かったね。こっそり潜り込んでみようって言いたかったんだ」

芽「同じ意味に聞こえますけど………」

チャ「ほら耳を住ませてごらん。あのにぎわいっぷりを。きっと中では盛大なパーティーが行われているに違いないさ。僕の推理ではなね、すんごいごちそうが用意されているとみているんだ。ステーキとかローストビーフとか寿司とか北京ダックとか」

芽「ローストビーフ！？」

貴「芽衣ちゃん！？分かりやすくつられすぎだから！？」

芽衣ちゃんはどうやらお肉が大好きなようだ。

そんな芽衣ちゃんも可愛いけど。

チャ「ほら、行くよ？」

チャーリーは先程取り出した大きな布を私達に被せて歩きだす。

貴「なにこれ？」

チャ「これで周りは僕らを目視できない」

なにその怪しいマント……ちょっと欲しい。

しばらく歩くとざわざわとした明るい雰囲気に包まれるのがわかった。

チャ「ここらでいいかな？」

そういうとチャーリーはマントをバサッと脱いだ。

貴「うわぁぁ………」

目の前に広がるのは豪華絢爛な調度品、すこしレトロな音楽、美味しそうな料理のずらっと並ぶ机。

見たこともないような世界がそこには広がっていた。

貴「芽衣ちゃん！凄いねっ！………あれ？」

振り替えると芽衣ちゃんもチャーリーもそこにはいない。

貴「う、うそ…………まさかここでも迷子………！？」

最近迷子になにすぎじゃねっ！？

＿＿＿＿＿＿

「ち、チャーリー！？芽衣ちゃん！？」

「どうしよう……返事がない………ただのしかば……違うか」