18話・サイコーな緊急事態 ページ28
さて、謹慎2日目のAです。
今日は海産物が有名な街に来ています。
相変わらずここら辺も凄い賑わい様で、いろんな人に話しかけられますね。
A『ちょっとひと休み、、』
人通りの少ない路地裏で水を一口飲む。
『おい嬢ちゃん。金目の物置いていけ。』
わお、急展開。
いかにもな感じの人がカツアゲをして来た。
A『すみません。それは無理です。』
『んじゃあ、体で払ってもらうしかねえか。』
それが目的だったであろうな。
ジリジリと近付いて来る。
数センチという距離に来た時、
『やめろ。こんなとこにまで来てみっともねえべ。』
私の後ろに気配を感じ、振り返る。
緑色のトサカの様な頭をした男の人がカツアゲ男を睨んでいた。
『お、お頭!!すんませんっ!』
お頭、、この人見覚えあるような、、
『ウチのクルーが悪かったべ。』
いい人?なのかはわからないけど、危害を加えて来る人じゃなさそう。
A『いえ。ありがとうございます。おかげで助かりました。』
ニコリと笑い、その人が手下を引き連れていく様を眺める。
見たところ何処かの島から出て来たただのチンピラか、、でも中々いい体格をしていた。
トサカのセットには何時間かかってるんだろう。
考えれば考えるだけ興味が湧いて来る。
これは悪い癖だな。
A『ふぅ、、とりあえず、何処かの宿とろう。』
宿を探して歩いていると、、
プルプル
プルプル、
カバンの中に入れていた電伝虫から着信が。
A『もしもし。』
『Aか?!』
声の主は元帥だった。
A『元帥、如何されました?』
緊急事態かな、、?
『ああ、突然悪いが本部から南に5キロ、北に8キロのところのサカーナ島にAが逃げ込んだと情報が入った。お前のいるところに軍艦を手配するから対応頼む。Aの特徴はーーーー』
A『元帥。軍艦は大丈夫ですよ。今、私がその島にいるので。』
そのAは本部に護送中に逃げ出した仲間の1人なのでもう用済みだそう。
殺しの許可をもらった。
A『謹慎が謹慎じゃなくなっちゃいましたねぇ。』
暗闇に潜むアサシンより遥かに恐ろしい尋問官は、日が沈む茜色の中、口の端をニッコリとあげた。
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作者名:酸性雨の1つ | 作成日時:2023年8月21日 22時