業火の向日葵【名探偵コナン】 (ページ4)

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『ね、ねえ、工藤君は…？』

「え？新一なんて、ずっと事件に篭もりっぱなしでずっと前から来てないわよ？」

『え』

「あんた、まだ寝ぼけてんじゃないのー？」

園子が私の肩を小突きながら呆れた顔をする。

どういうこと？

夢でも見てたのかな…

確かにあの時彼の声は聞こえていた。

でも教室を見渡してもどこにも姿はなかった。

「ははーん、まさか…A、恋しくなっちゃった？」

『ええ！？いやいや…』

図星だと思われたくないため首を横に振る。

寂しい…なんて…

「ったく、あの推理オタク、とっとと帰ってきなさいよね…Aにまで、心配かけてるのに気づいてないのよね」

『蘭…』

蘭の声はどこか寂しそうだった。

それは当たり前で、工藤君と蘭はいつも一緒にいたんだから。

幼馴染が急にいなくなるなんて心配するに決まっている。

当たり前がなくなるってすぐに受け入れられないし。

だから気軽に『大丈夫』だなんて言えなかった。

「そ、そう！今度ニューヨークのほうで、オークションがあるのよ！」

暗い雰囲気になりかけそうになったところ、

園子が話題を変えてくれる。

「オークション？」

『そういえば、ニュースで話題に上がっていたかも、確か「ひまわり」だったっけ…』

「そうよ、おじ様が今度、大規模な展覧会を開くらしいのよ。まあ、あたしは付き添いみたいな感じかもだけどね」