業火の向日葵【名探偵コナン】 (ページ19)

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♤ ページ19

「その可愛らしいお顔、もっと見せてください？」

『……え？』

顔を覆っていた両手の指の隙間からキッドをちらりと見ていた。

熱くなって赤くなっているがバレていないだろうか。

まじまじとキッドを見ていると見つめ返してくる。

私の手を取ると今度は指を絡めてはじめて。

『っ……！な、なに……？』

「いえ……つい貴方の反応が可愛らしいので試してみたくなりましたと、言えば良いですか？」

ああ、また同じようなセリフ……

『……あの、、そういうのはやめた方がいいんじゃないですか……私が口を出すのもおかしな事なんですけどね……』

「なぜそう思うんです？」

『あなたにも、きっと大切な人がいるんじゃないですか』

その言葉に対してキッドは黙り込んでしまう。

「……！」

『キッドを演じて本当の自分を隠して……。でも誰にも言えなくて。こんなこと知ったら、大切な人が悲しむんじゃないですか……？』

私はあなたのことは分からない。

でもきっと苦しい思いをしていることは確かだと感じる。

こんなこと言う資格なんてないくせに

何言ってるんだろう私……。

『な、なんて！誰にも1つ、2つは言えないことありますよね……！だから＿＿』

「じゃあ、、」

この話はもうやめよう、そう思っていた。

キッドは下を向きながら口を開いてモノクルと、シルクハットを外す。