検索窓
今日:12 hit、昨日:12 hit、合計:23,685 hit

. ページ28

「あ、A、さん、」
「大丈夫?風邪?お水とか、薬とか…」
「だいじょぶだいじょぶ」
「ほんとに?きつくない?この辺の夜間病院どこだっけ…」
「ほんとに、大丈夫だから。ちょっと、気管に入った、だけ、」


とりあえず隣に座って背中をさする。


「ハァ、ハァ…もう大丈夫。ごめん」
「ほんとに…?」
「うん。大丈夫だから。泣かないでAさん」
「泣いて、ない」
「目真っ赤なってる」
「だって…」


怖かった。那須くんは大丈夫だって笑うけど、尋常じゃないくらい咳してたし、心なしか顔色も悪い。


「心配かけてごめんね」
「ほんとに大丈夫なの…?風邪とか、それかもっと他の病気とか…今からでも病院いこうよ」
「ほんとに気管に入っただけ。ほら、今ピンピンしてるし。それにこんな遅くに病院行くのは大変だし。なによりAさんとの時間大事にしたいじゃん」
「でも…」
「でもでも言わないの。もう大丈夫。ほら、こっちおいで」


うつむく私を優しく引っ張って抱きしめる那須くん。


「目覚めて水飲んだら変なとこ入っちゃってさ。自分でも引くほど咳出るからほんとびびった」
「なんかでも顔色も悪いし…」
「寝起きのコンディション悪めなんだわ俺。大丈夫。いつものことだから。Aさんは?どうして起きてきたの?」
「私はさっき目が覚めて、それで…」
「ん?」


那須くんが、いなくなったと、思って


「んはは、寂しくなっちゃったの?」
「わらわ、ないでよ、」
「ごめんごめん。さ、ベット行ってもう少し寝よ。今日も出かけるって言ったっしょ?」
「ほんとにお出かけできる?」
「できるよ。しないとかありえないから」
「そう…」


寝室に戻って、2人でまた同じ布団にはいって。


いつもは私が眠るまで待ってくれる那須くんがさっきの咳で疲れたのかすぐに眠ってしまった。


綺麗な寝顔を眺めながら本当になんでもないことを願った。

┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Twitter始めました

よかったら、どうぞ

@kisu__i

.→←黒



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (38 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
設定タグ:美少年 , 浮所飛貴 , 那須雄登   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:希翠 | 作成日時:2019年10月11日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。