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そのあとも那須くんにいろんなお店に連れてかれた。そしてその度いろんなものを買い与えられた。髪飾り、イヤリング、ネックレス、香水…どれも自分で買わないようなものばかり。
「なんかほんとに申し訳ない」
「なんで?」
「私のものばっか買わせて」
「…Aさん、俺がなんで今日こんなにたくさん買い物してるかわかる?」
「んん…」
なんでだろう…
「…私にセンスないから?」
「ふはは、そんなことないよ。いつものAさんも好きだよ」
「じゃあなんで?」
「前に俺だけのものになってって言ったでしょ?」
「うん…」
「昨日あいつとデート行って帰ってきたAさん見て、柄にもなく嫉妬しちゃったんだよね。今日デートに誘ったのもそのため。そんで、せっかくだから服もなにもかも全部俺好みに、俺だけのAさんにしたかったの」
「那須くんだけの、私…」
「そ。その格好してる時のAさんは、俺だけのもの。俺だけの、可愛い可愛いAさん」
こっちを向いた那須くんの顔がそのまま近づいてくる。
「Aさん照れると耳に出るよね」
「い、いつも真っ赤になっちゃうの、恥ずかしい…」
「ふふふ。そういうところも、可愛い」
静かに口づけられて、そのまま抱き寄せられる。他の人に見えないように。見せないとでも言うように。
「…Aさん。しょっぱいのと甘いの、どっちがいい?」
「あ、甘いの…」
「Aさん甘党だもんね」
「うん」
手を繋いで歩き出した。那須くんとの初デート。
当初は不安だらけだったけれどとてもとても楽しかった。
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作者名:希翠 | 作成日時:2019年10月11日 23時