12.Time is cruel. ページ13
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どうしよう。私の心臓の音、伏黒君に聞こえてないかな。
さっきから顔が死ぬほど熱いし、心臓が口から飛び出そうだ。
「…白羽」
『はっはいっ!?』
「白羽は、呪いが見えるのか?」
『の、呪い?』
初めて聞く単語だ。呪い?あの化け物のことなのだろうか。
『えぇっと…見える。呪いって名前は初めて聞いたけど、確か小学校の低学年くらいから見えてたよ』
「俺もだ。一人で怖かっただろ」
『…うん。誰にも分かってもらえなかったから。でもね、今まで襲われることなんてなかったんだよ』
「運が悪かったんだろう」
そんなこんなで伏黒宅に着いた。
津美紀さんに事情を説明して、服を借りたりお風呂を借りたり…申し訳ない。
「Aちゃんの部屋はここでもいい?」
『はい!ありがとうございます』
「うん。じゃあ恵をよろしくね」
ん…?と思ったのもつかの間、津美紀さんと入れ替わりで伏黒君が部屋に入ってきた。
「あ…?白羽もここの部屋なのか?じゃあ俺は____」
「こら恵!Aちゃん変な人に遭ったんでしょ?一人にしちゃだめじゃない!」
「『え…?』」
とまぁ、私と伏黒君は同じ部屋で寝ることになりました。勿論あんなことやそんなことはありません。
『なんかごめんね、伏黒君』
「いや、あれは津美紀が悪い」
…気まずい。
静かな沈黙が流れる。何か言わねば。
『あ、あのさ』
「?」
『伏黒君、とはさ、小学生のときも少し話してたよね』
「ああ。そういえばな」
『あのときは恵君って呼んでたっけー?今も呼んじゃおうかなーなんて』
あれ私何いってんだろ。テンパりすぎて頭おかしくなったかも。
「…別に。構わないけど」
『へっ!?』
「呼び方なんか好きにすればいい」
『えぇっと…じゃあ、め、恵…君?』
顔熱すぎ。死んじゃう。
「…おう」
二人の間に、甘酸っぱい空気が漂った。
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ヒカル(プロフ) - アジア人の末裔さん» まあ…?そんな感じですね…?笑 ぶっちゃけ実話なのは前半だけですね笑 (3月9日 12時) (レス) id: 2ed2dbe4a3 (このIDを非表示/違反報告)
アジア人の末裔 - 今気づけば半分実話…ということはつまり主さんがこんな素敵な恋愛をした可能性があると…!?そう捉えていいんですかね!!! (3月7日 21時) (レス) id: ba14ff85c6 (このIDを非表示/違反報告)
ヒカル(プロフ) - 奥宮。さん» 嬉しいです!ありがとうございます!!もうなんかほんとに思い付きなので…笑 そう言って頂き嬉しい限りです! (11月12日 20時) (レス) id: feae8b7922 (このIDを非表示/違反報告)
奥宮。(プロフ) - はちゃめちゃほのぼのとしてて、めちゃおもろくて好きです!!!更新楽しみにしてます!! (11月12日 19時) (レス) id: 6e2eb1af59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヒカル | 作成日時:2023年11月5日 19時