赤い光に照らされた君は誰よりも綺麗だった (ページ5)

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WN side

『〇丁目〇〇-〇から火災が発生、現場に急行せよ。』

夜中3時。

事務所で同僚と世間話をして居るとアナウンスが流れた。

そこは俺の家からも近い場所。

土地勘はあった。

wn「〇〇-〇だったらあの黄色いマンションだ。」

「了解、すぐに車両を準備して下さい」

同僚が先輩に声をかけてその間に俺達は準備をする。

ヘルメットの紐を締める時には車両に乗って良く知って居る土地に向かっていた。

「おい、あそこに人居ないか？」

同僚の声で上を見上げると赤く燃えている部屋のベランダから女の人が手を伸ばして叫んで居た。

wn「俺行ってくる」

「いや、ハシゴの方が…おい！！」

同僚の声なんか耳にも入らない間に走り出して居た。

もうあんな思いしたくないから。

階段を走って居る間に何度も何度も助けられなかった家族の顔が蘇った。

3年前。

俺は21歳。

まだ消防士になる為に学校に通って居る時だった。

小さい頃、向かいの家が家事になり消防に来ていた消防士の人達に憧れて消防士と言う夢を持ち中学に入る頃には確実に将来が決まって居た。

高校を卒業する少し前に彼女だったAが妊娠。

将来を諦め働こうとする俺を止め応援してくれたのがAだった。

その一年後俺と血の繋がった息子、チョン・ヨンギが生まれた。

その頃には消防士の学校へ進学して居て真剣に将来についても考え出して居た。

そして一年後、忘れもしないあの日。

いつも通り10時に3人で並んで寝て居た。

そんな中、ヨンギが泣き始めた。

泣き止ませようと起き上がると隣の部屋には炎が広がって居た。

「A！A！！」

A「…何これ……」

混乱するAをさすりながらヨンギをAに渡して学校で習った事を一から思い出しながらやった。

窓を閉めて2人の口をタオルで抑えて通報をして。

ちがう、まず通報するべきだった。

どんどん炎が近づいて来て消防車のサイレンの音がする頃にはヨンギもAもぐったりとして居た。

酸素も薄くなって息が苦しくて

みんな意識を手放した。

次の日。

「ヨンギとAは！どこですか！」

医師「…残念ながら救えませんでした。」

全身に火傷を負ってしまった2人は2度と会えない人になってしまった。

絶望感で夢諦めようとして居た俺に

ヒョンが

「Aちゃん、そんな事望んでないと思うぞ」

そう声をかけてくれた。