手枷、足枷、君にお任せ【usss】 (ページ4)

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彼女に対して甘いという自覚はある。とはいえ心を開いていない今のAを無理に従わせたら、それこそ前回の二の舞だ。俺までも恐怖で支配するのは得策ではない。

「私を捕まえておくのはなんで…？」

少し落ち着きを取り戻した彼女は俺の顔を見上げて言った。

「俺たち遊び相手が欲しいねん、それに選ばれたのがA。せっかくの玩具が逃げたら切ないやろ？やからこうやって捕まえておく」
「帰してはくれないの」
「んー、それは出来らんかなあ。皆Aのこと気に入っとるし」

Aは切なそうに目線を下げた。そう悲しい顔をされると帰してあげたくなる気もするが、それは俺の一存でどうにかなる話ではない。

それに俺だってAと遊びたい一人だ。
今はこうして反抗的かもしれないが、いつか俺の手元に堕ちてきてくれる日を待ち望んでいる。

「分かったらもう逃げ出そうとしたらあかんで。今回は薬使わへんけど、次同じことがあれば効力の強い薬に変えるってうらさん言うてたし」
「……分かった」

この様子じゃまだ時間がかかりそうやなあ、俺は他人事に思いながら部屋を後にした。