手枷、足枷、君にお任せ【usss】 (ページ17)

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「坂田さん、怒ってる…？」
「ううん、怒ってへんよ」

現在地、Aの部屋。帰りの道中で口数の減った俺を見て不安そうにしていた彼女は、部屋に入るなり言葉を投げかけてきた。

「なんかずっと、怖い顔してるから」
「怖い顔しとった？……ごめん、Aのこと守らなあかんのに、あんな思いさせて、あいつらにも自分にも腹立っとるからやと思う」

言いながら目線が下がって、尻すぼみになる語尾。情けなさで下唇を噛んだ。

「坂田さんはちゃんと助けてくれたよ？そんなこと言わないで」

ふっと近づいて俺を抱きしめたAは切なそうに笑った。少し前まで自ら近づくことなんて絶対になかった彼女が、こんなにも心を許している。当たり前のように抱きしめてくれている。

俺の中でなにかが弾けたような、気がした。

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