手枷、足枷、君にお任せ【usss】 (ページ12)

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「なあ、そんな怯えんでもええから」
「嫌、っ」

抱きしめようと伸ばした俺の腕を反射的に払ったAは、口から出た拒否の言葉にはっとして「ごめんなさい…！」と謝った。

「あの、今のはっ」
「あのなA、俺はAのこと愛してるから逃がしたくないんやで」

必死に取り繕うAの腕を再度引き寄せて、後ろからその背中を抱きしめた。

「足首傷つけたことはごめんな。…でもあのときのA、ほんまに逃げ出しそうで不安やった。いつかの玩具みたいに目覚めたらいなくなってて、探しても見つからへんのが怖くて。Aを誰にも、どこにも、やりたくないねん。ずっと俺と一緒におってほしい」
「まだ知り合って間もないのに…、なんで、」
「会ってすぐにこの子やって思った。柄やないけど運命やと思っとるんやで？俺が声かけたときのこと、今でも忘れられへんもん」

道が分からない、案内して欲しい、という俺の嘘にいいですよと笑って頷いたA。その屈託のない笑顔に痺れのような衝撃を受けて、こんなにも俺が求める子に出会えるのかと感動したことを覚えている。

.→←枷