初恋は涙の味。 ページ45
｢ねぇチミ。｣
JM｢なぁに？A｣
朝日が眩しい朝の屋上。
朝日を浴びながら体育座りで空を眺める。
2人で並んで日向ぼっこなんて。
シュールな光景だ。
｢初恋は…叶わないって言うでしょ？｣
JM｢そう…だね｣
いきなりどうしたの？って顔で私を見つめるジミン。
｢私。チミが初恋だった｣
JM｢…………うん。｣
｢今でも。チミが好き。｣
JM｢…………うん。｣
｢だからさっ………｣
JM｢でも、僕は初恋。叶えるから。｣
付き合ってください。って言うつもりだったのに
それで潔く振られよう。って思ってたのに
｢え？｣
JM｢僕、ずっと小さい頃からAが好き。
沢山遠回りをして。沢山傷つけてしまったけど
ちゃんとケジメ。付けてきたからさ。
絶対に幸せにしてみせるから。
だから僕と、付き合ってください。｣
なんだ。なんで私たちこんな遠回りしてんだ。
｢初恋って。叶うんだねえ。｣
JM｢え！それって…｣
｢こちらこそ。よろしくお願いします｣
JM｢やったぁぁぁぁあ！！｣
涙ぐむ私をよそに。喜び出すジミン。
そして、私を抱きしめてくれる。
JM｢やっと。やっと抱きしめられた…｣
男性にしては小柄だと思っていたけれど
しっかりしている体。
JM｢泣かないで。A｣
｢だって………チミがっ｣
ちゅ。と唇に温かい感覚。
JM｢涙引っ込んだ？｣
｢…うんっ。｣
沢山遠回りして。色々なことがあったけれど
初恋は叶わない。
それはきっと、自分次第なんだと思った。
JM｢A 愛してるよ。｣
なんて言うから。
｢私も愛してるよ。ジミン｣
そうしてもう一度してくれたキス。
まさかファーストキスが涙の味がするなんて思ってもみなかったけど。
JM｢しょっぱい。｣
舌をペロって出すジミン。
｢えへへ。しょっぱいねぇ。｣
2人で笑い合えるんなら。涙の味でもいいやって思えてしまった。
私の一生の中で1度だけの恋。
その恋は、幸せの涙の味がした。
fin.
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作者名：永愛
| 作成日時：2021年5月6日 22時
