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バーカウンターにはまた彼がいた
席まで案内してくれたのは別のスタッフだったけど
私が頼んだサングリアは彼が作るんだ、と思うだけで十分だった
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雰囲気も最高で食事も美味しくて
何よりお酒がどれも美味しい
彼がいることに固執してたけどかなり良い場所だった
教えてくれてありがとう、知人A
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友人がお手洗いに席を外したとき
横目でドリンカーの彼が別の人にお願いしてホールに出てくるのが見えた
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もう上がりなのかなあ、と思い
ほろ酔いながら携帯をいじっていた
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「あの、三日前来てくださった方ですよね？」
『...え？』
「僕に直接、モヒート注文した方、じゃないっけ」
『あ、しました』
「ああやっぱり！また来てくれたんだなあ、って来たとき思って」
『すごい、記憶力ですね』
「あんまりこのお店でモヒート注文する方いないから、覚えてたんです笑」
『...わざわざカウンターまで行ったの私も覚えてます』
「今日は前一緒にいた方じゃないんですね」
『ああ、あの方にこのお店を教えてもらって、気に入ったから今日は友人を連れてきたんです』
「あらあ、お褒め上手笑」
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見た目は少し強面なのに
こんなに優しい笑顔で笑って、こんなに上品に喋るんだ
と私はどんどん彼に引き込まれていた
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「じゃあ僕、そろそろ持ち場に戻りますね」
『あ、はい、ありがとうございます話しかけてくれて』
「とんでもないです！...また来てくださいね」
『もちろんです』
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まさか向こうから話しかけてくれて
しかも覚えててくれたなんて
ほろ酔いが一気に覚めるほどそれが私に取ってもの凄い幸せだった
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店を出る間際
彼はカウンターから私に手を振った
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ほろ酔いから覚めた私の横には
完全に酒に酔っている友人がいる
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友人が「ごちそうさまでしたー！！」と大きい声で彼に手を振り返すと
彼はゲラゲラと笑っていた
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リエ - お話全部全部大好きです！毎日読んでます！美大生さんのお話がまた読めるようになれば嬉しいです。これからもずっと応援してます！！ (2021年8月26日 22時) (
レス) id: 011c73e51d (このIDを非表示/違反報告)
みぺ - どのお話も長編で読みたいぐらいきゅんきゅんします！いつも楽しみです！ (2021年7月4日 0時) (レス) id: 58efb808d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハム | 作成日時：2021年6月30日 19時
