流され女 _Takumi.K_ ページ14
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正直、恋愛が何か分からない
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流されるまま告白してきた人と付き合って
時間が経てば私が振られてた
心の底から好きだと思える人に出会えたことって、あるんだっけ
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拓「ずっと前から好きでした」
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昼のキャンパス内
人通りが少ないロビーで私にそう告げたのは
友人と仲がいい一個下の川西くん
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『…なんで私？』
拓「理由とか、正直分かんないですけど、俺はAさんを好きになっちゃったんです」
『…ありがとう、いいよ、私まだ拓実くんのこと全然知らないけど、それでも良ければ…』
拓「え、ほんま！？！？あ、ごめんなさい、本当ですか？」
『驚き過ぎでしょ笑笑笑』
拓実くんのことは知っていたけど
全然話したことは無かった
ただ1つ。断る理由がなかったから、付き合った
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今関係を持ってる男とも
拓実くんと付き合って関係を切った
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かれこれ半年くらい経ってある程度恋人らしくなった
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私の帰りが遅い時
拓実くんは気付かないふりをしていた
私がご飯に行くと告げた時
楽しんでね、と目を見ずに言った
私の携帯が鳴る度
拓実くんは笑顔じゃなくなった
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ある夜、男から連絡が来て
今日は拓実が家にいるから、と断った
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拓「行かなくてええの？」
今にも泣きそうな拓実にそう言われた時
私は本当に愛されているんだな、と感じた
『あー、どうでもいい用事だから別に行かないよ』
そう言うと嬉しそうに私にハグをした
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それから1ヶ月経った頃
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部屋の電気もつけず拓実は
拓「…もう疲れた」
とため息混じりに笑った
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拓「…俺は、Aさんじゃダメだ、Aさんも俺じゃダメだし、不安なんが消えんかった」
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『...ごめん』
拓「…ずっと辛かったんだよね、俺」
『…ごめんね』
拓「Aさんから違う人の匂いがする度に、不安で、どこに行くにも、不安だった」
『…もう嫌い？』
そう言うと拓実くんは
私の肩をぽんと押し、しゃがんで泣いた
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拓「…俺から振ると、後悔するから、Aさんが、俺を振って」
『…』
拓「最後に、1個くらいお願い聞いてや」
『…ごめんね、…私と別れて』
拓「…今までありがとう」
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そう言って悲しく笑う拓実くんを
急に追いかけたくなったけど
大事にできなかったのは私で
苦しめてたのも私だと分かっていたから
背中を見つめることしかできなかった
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ほんの少し後悔してる数ヶ月後の今
友人から
拓実くんに新しい彼女が出来た、と聞いた
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リエ - お話全部全部大好きです！毎日読んでます！美大生さんのお話がまた読めるようになれば嬉しいです。これからもずっと応援してます！！ (2021年8月26日 22時) (
レス) id: 011c73e51d (このIDを非表示/違反報告)
みぺ - どのお話も長編で読みたいぐらいきゅんきゅんします！いつも楽しみです！ (2021年7月4日 0時) (レス) id: 58efb808d8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハム | 作成日時：2021年6月30日 19時
