Mimosa (ページ12)

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僕だけのヴィーナスページ12

Mark side

収録終わり、帰りの車に乗りこんでDaydreamの曲を再生して目を瞑る。

高校生活の3年間を同じクラスで過ごした僕たち。

仕事が忙しいし、ルキズとしてまあまあ有名だったしで中々周囲と打ち解けられなかった僕にとって彼女の第一印象は「救世主」。

『マーク君ってカナダ出身なんだよね？もしよかったら私に英語教えてくれない？』

滅多に登校しない僕の席は1番後ろの端っこが定位置で、前の席に座る君がくるりと振り返って話しかけてくれた日のことは今でも覚えている。

「Aさんも得意じゃ…？」

確か、直前の英語の時間にスラスラと教科書を音読していたはず…。

『えーっと、私も実は練習生でアイドル目指してて…だから英語は頑張りたくて！』

まだデビューできるか分からないけど、なんてはにかみながら笑うAさん。

同じ夢を持つ仲間なんて、俄然親近感が湧く。

mk「僕で良ければ喜んで」

『じゃあ早速…』

なんて言って取り出したノートを見ると

mk「これは歌詞？」

『そう！』

韓国語に混じりながら英語で綴られた言葉は歌詞らしく恋愛に関するものが多くて、Aさんの心の中を覗き見しているみたい。

『スラングとかを沢山使ってカッコよくしたいんだけど中々難しくてさ…って、マーク君顔赤いけど大丈夫？』

mk「いや、歌詞ってその人の心を覗くみたいだからヤッカン恥ずかしくて…」

『え～…か、可愛い…マク、可愛い！』

突然Aさんの可愛いボタンを押してしまったようで、私のことも呼び捨てで呼んで！なんて言いながらほっぺをこねくり回された。

「A、マーク君のこといじめるなよ！」
「そうだよ～(笑)」

『楽しく話してただけですう！ね、マク？』

気づいたら僕らの周りには人が集まってきて、その日から少しずつ友達が増えた。

人を惹きつける君は、天性のアイドルだ。

mk「久しぶりにAと練習したいな～」

僕たちが同じ高校出身の親友ということはファンの人にも有名だし、マクAという僕たちのケミは人気。

高校時代に2人でよく屋上で一緒に練習していたというエピソードからダンス練習のvliveを不定期で開催している。

「久しぶりにvliveしない？」なんて平静を装ったカトクを送る。

「みんなの女神を僕だけのものにしたい」僕の大それた欲望に、しばらくは君が気づきませんように。