心を燃やせ (ページ32)

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No.32 ページ32

『あっちは策敵に長けた人ばかりだから、居場所は筒抜けだと思っていいね』

特に、伊之助。

あの空間識覚は厄介極まりない。

「猪突猛進！」
「おい、独断専行すんな！」

突如、角から飛び出してきた伊之助を避ける。
カナヲより先に私を潰す気か。

『カナヲ、行って！』
「頑張ってね」

一瞬気が逸れたことにより、隙が生まれてしまった。

伊之助に蹴り飛ばされ、壁へと叩き付けられた。
私はそのまま壁を蹴って伊之助へ向かう。

「来い！！」
『言われなくても！！』

善逸は、伊之助が倒されないと向かって来ないだろう。

私が、女だから。

伊之助の攻撃を流しつつ、彼の顎にアッパーを食らわせた。
力がゆるんだ隙に肋を殴り付け、動きが止まったところにテープを巻き付けた。

『はい、撃破！』
「うわぁ、こっち向かってこないでよ、Aちゃーん！！」
『無理！！』