課長の沼にはハマらない【JN】

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胸がドキドキしている



血の流れが早いのが分かって耳に胸の鼓動がダイレクトに伝わってる感じがする






言わなきゃ



課長に言わなきゃ







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『ダメです、課長』







そう言って切なそうな顔をする課長の手を自分の頬から外させる







『彼女がいる人はこんなことしちゃダメです』






ジミンと話して出た答え



課長のことが好きだ。

それでも、彼女がいる課長の家に泊まるのはよくない。


そんなことをされたら彼女さんが悲しいに決まってる
そんなの考えなくてもわかる






だから、この家から出ていく。


課長にこの思いは伝えるつもりは無いからそれでいい。








『課長、私、出ていきます』






そう言うと「…え」と小さく声を漏らした課長






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JN「どういうこと？」



『…へ？』








目を大きくして訳が分からないといった顔をした課長に釣られて私も目を大きくしてしまう


どういうこと？





すると課長は「あーあれか」と頭を抑えた







JN「もしかして見てた？」







会社の入口でのことを指しているんだと思い小さく頷く







『ソリさんと付き合ってるんですね』



JN「はぁ…誤解だよ」



『…え？』



JN「前付き合ってた
…その、まだ好きって告白されて

ちゃんと断ってるよ」







そう言われて一瞬で理解した


ソリさん、課長のこと好きだったんだ。
というか二人は前付き合ってて…




急に罪悪感に覆われる


昼、ソリさんはどんな気持ちで私に言ったんだろう








JN「僕の中でソリさんとの恋愛は終わってた、だから断った


というか、もしかしてそれで泣いたの？」





『…へ、な、ななになにを！？
違うに決まて…決まってるじゃないですか！』







そう言うと少し笑った課長が私の頭を撫でた









JN「居てよ

Aさんが居ないと僕が寂しい」





『…私、図々しいですよ』





JN「そんなの慣れてる」









目を細めて笑う課長にときめいてしまう


私、こんなにドキドキしていて一緒に生活できますかね…課長




とりあえず今はこの思いが溢れて口に出てしまわないよう、気をつけていきます。

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