課長の沼にはハマらない【JN】

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人はとんでもなく悲しいことがあると判断力が鈍るということを私は学んだ








JN「なに、食べないの？」



『あ、いえ……いただきます』









両手を合わせて『いただきます』というと「どうぞ」という課長





あれから課長の家にひょこひょことついて行ってしまった私は、ただいま課長の目の前で課長の手作り料理を食べようとしている








課長の家は、それはそれは広くてそんでもってオシャレだった


結構高そうなマンションだし









お肉を取って一口入れるとびっくりするほど美味しかった






『…お、美味しいです』



JN「そ？ならよかった」








そう素っ気なく言う課長。






は？おいおい、なんなんだこの男。
手作り弁当は知ってたけどここまで美味いとか


仕事もできて、料理もできる？



なに私よりも料理上手く作っとんねん









JN「全部口に出てるんだけど」









そう言われてハッと口を閉める



この口め、制御をしろ
そろそろ大人になれよ






黙ってご飯を食べる私を頬杖をついた課長がずっと見てくる







『…そんなに見られると食べづらいです』



JN「付き合ってた人いたんだね」



『そりゃまぁ、私にもいますよ』









ジミンを思い出すと涙が滲んできて、鼻水が垂れそうだったので鼻をずずっと啜る









JN「で、そいつが浮気してたの？」


『聞かないでください』


JN「別に聞いてもいいでしょ
あんな公園で泣いてるような子、助けてるんだし」








くそ、何も言えねぇ









『…家帰ったらキスしてて

普段、私が仕事で遅くなっても料理も食べずに待っててくれて


すごく優しい彼氏だったんです』








そう言っているうちにジミンとの日々を思い出す








『本当にかっこいいのに優しくて、可愛いのに仕事できて

今朝まで私には勿体ないとかとてもいい人間だなって思ってたのに』








なんて口に出していると、急にあのくそったれ女にムカついてきた

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