桜吹雪と涙 (ページ17)

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ごめん。ページ17

私は、そのまま紫耀がよく見上げる

木の前に立っていた。

走りすぎて息も上がってオマケに涙も流れてくるから

顔はぐしゃぐしゃだ。

別れる｡その決断を受け入れた私もどうかしている。

なんで、紫耀は、今､人の支えを必要としている。

大切にしていた髪の毛を抜け落ち、

それでも明るく生きようってきみたのにね、

私は、嫉妬しているんだ。

こんなちっぽけな心、、、捨ててしまえばいいいのに

紫耀、、、ごめんね、

私、、、弱いし重いし馬鹿だから

紫耀の気持ちなんて考えることできないんだ。

今だけは許して？

私は、木を見上げた。

ついこの前間では深緑が広がり

青々と茂っていたのに、

今見るともうその気配はなく紅葉が赤く染まり

その葉っぱ立ちもこの木から落ちそうだ。

もう時間はない

この木がもう一度深緑を取り戻し花を咲かせる頃には

紫耀の命の期限は尽きている。

信じたくなくても、、、今は受け止めなくてはならないんだ。

桜なんて咲かなくてもいい、

紫耀が死んでしまうのに、、、桜はなぜ？

そんなにも華々しく咲、散っていくの？

｢紫耀の命と交換してよ、」

タイムリミットを止めることは出来ない。

そんなこと分かってる。でもいまは

そんな淡希ですら願ってしまう。

春が来たら、

この刹那に咲く花たちが散っていくのを一人眺めるんだ。

紫耀のいない世界で

そう思うほどに心が痛かった。

☆。.:＊・゜