【呪術廻戦】五条さんの妹になりました 5 (ページ18)

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というか、お父さんのコミュニケーションが取れるってこと、五条さんは知ってたんだ。
私や周りが傷つかないように、色々手を回してた……ってことなのかな。
すごすぎない？それ。

『お兄ちゃん、すごいね。そんなことできちゃうんだ』
「ゴジョウ、イィヤヅ。ダガラ、マモ"ル」
『約束を？』

私の言葉に、お父さんはうなづいた。
五条さんが信用できる強い人だから、お父さんも信じたってことなんだな。
ほんとすごいよ、五条さんって。だからお父さんは今まで一回しか暴走したことがないんだ。なるほどね。

『お父さん、お兄ちゃんとの約束を破らず守ってくれてたんだよね？』
「ゥン"」
『そっか、ありがとう、お父さん』

お父さんの手をぎゅっと握り、目を見てお礼を言う。
といっても目はひとつだし、手も大きいから握りきらないけど。
お父さんは私の言葉を聞いて、嬉しそうに私の周りを飛び跳ねた。なんかウサギみたいでかわいい。
私の正面に再び戻ってきた時、お父さんは私に背を向けた。

あれ？こんなこと、今まで無かったような。
強い違和感を感じた。なにかおかしい。

『お父さん、なにか……』
「グル」
『え？』

お父さんが背を向けたまま、私の体に腕をまきつける。
お父さんの大きな手が、私の体を支えた。

その次の瞬間、家の中で一番大きな窓が割れる。
その衝撃は窓だけじゃなく、壁にもつたって、壁にヒビが入る。それだけで済んだのがおかしいくらいの威力を、肌で感じた。
大きすぎる衝撃は風となり、家の中に強い風が吹く。
少しも動かないお父さんにしがみついて、飛ばされないよう、お父さんにしがみついた。

風が完全にやんだあと、ゆっくり目を開けた。
お父さんの背後から顔を出すと、窓枠が消え、物が散乱した荒れ果てたリビングに、人が一人立っているのが分かった。
身なりはごく普通の女子大学生。でも、その姿からは途方もない殺意を感じた。

その人を見た瞬間、殺意と悪意が私を貫く。
そしてしばらくすると、とてつもない吐き気が感じた。
家の中はもうボロボロなので、どうなってもいいやとそこら辺に胃の中のものを吐く。
口をぬぐって、そこに立つ人を見る。

『有夢……』
「あら、もう吐かないの？前は引くほど散々吐いたのに」
『やっぱりあの吐き気は、あんたのせいなのね』

お父さんの背後から、有夢をにらみつける。
最後に会ったのは小学生の時……11歳だったと思うから、だいたい三年ぶりだ。