初めて会った日 ページ2
ねぇ、テミナ。私たちが初めて会った日覚えて
いる？
私たちが初めて会ったのは、みんなが帰ってしまって空っぽになった練習室だったよね。
中学2年の熱い夏の日、どうしても練習の時にできなかったターンがあり、みんなが帰った後に一人鏡の前で練習をしていた。
キュッキュッと床とシューズが擦れる音だけがする練習室。
何度も失敗してこけて、できない自分への苛立ちと傷の痛さで知らず知らずに涙が溢れてきた。
もう一回、もう一回と何度もやり直している時に
「ガチャ」っとドアの開く音がした。
やばい…、先生に怒られる。
テミン「ねぇ、ターン出来ないの？足をこうして、そうそう、そうすればいいんだよ」
「うわー！ほんとだ！出来た。」
テミン「でしょ？コツを掴んだら簡単だよね！」
「はい！ありがとうございます」
あれ、極度な人見知りの私が普通に喋れている。
この人誰だろう。
「…」
テミン「どうしたの？？急に黙り込んで？」
「いや、、あの、私、すごく人見知りでこんな風に初対面の人と喋れたのが初めてで」
テミン「あ、本当だ！僕もね人見知りが激しいんだよね笑」
いや、嘘だ！絶対、人見知りじゃないよ。
テミン「本当だよー、一年半ぐらい練習生しているけど君が初めて喋った女子だよ。」
「そうなんですか？笑笑」
テミン「うん。そうだよ笑笑」
私も同じように練習生になって、初めて話したのがテミンくんだった。
あの後、二人でランダムで曲を流して笑いながら、踊った。
練習生になって、初めて心の底から楽しいって思えた日だった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 74人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ちあき | 作成日時：2018年3月5日 21時
