四畳半トリップ~《秘密の部屋》結~【ハリー･ポッター】 (ページ31)

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１８１とあとがきページ31

ス「馬鹿を言うな、なぜ貴様を気にかけねばならん。ひとつ言うが貴様はポッターの身代わりだ」

私は肩を竦めた。

『でも、私を探してここに来るあたり、気にかけてますよ、教授』

ふふふ、と鼻で笑うと教授の瞳が黒々とし、その瞳は微かに揺らいだ。

『ねえ教授』とにこやかに笑うと、「今日はおしゃべりだな」と鼻で教授がせせら笑った。

『私はヴォルデモートに似てますか？』

心の中にあったわだかまりを打ち明ける。

このわだかまりを紐解いてくれるのは、教授だけだと、私は心の中で決めていた。

「貴様が、か……」と彼は呟いた。

ちゃんと考えているかのように、すぐに返事は返さなかった。

その代わりに彼の顔はいやいやしく顰めている。

ス「人のために命を捧げるような、自己犠牲精神の貴様が、か？」

当たり前のことを聞くなと言いたげな教授は、私を見下していた。

その答えに私は笑った。

私はあまりにも単純すぎた答えを見抜けないでいたのかもしれない。

そうして私はなぜ教授が私を気にかけるのが分かった。

未来を背負う私と、過去の重荷を背負う教授。

どちらも似た者同士で、本質は違う。

どこかにていて、私と教授は対極にいるような存在なんだろう。

私が持つ好きという気持ちは本当のものだけど、教授が持つ感情はただ単に似た者同士という感覚に過ぎないんだろうな。

ス「次、また同じことを言ってみろ。その時はこの井戸の中に突き落とすぞ」

低く唸るような声。

私は教授のローブを手に取り、ぎゅっと握った。

『なんなら今、突き落としてくれたっていいんですよ』

『教授』と小さくつぶやくと、彼は薄暗い中で顔を顰めて、私の顔を見ていた。

ス「私は貴様が────嫌いだ」

『私は好きですよ』とほぼ反射的に返すと、彼は顔を歪める。

二年目無事終了

────あとがき────

まず、ここまで読んでいただき、また、たくさんの応援、本当にありがとうございます。

新たな仲間、クィリナスの登場と主人公との関係。新たな場所(古井戸や主人公の奥座敷)の出現。

セブルス教授の考えと主人公の解釈。

そうして主人公がリドルの日記の紙切れを持っていたことで、図らずもリドルを助けたという事実。

次回作に繋がるような内容の濃いものが書けたのではないでしょうか。

よろしければ、これからもよろしくお願いします。

さようなら読者の皆様、３作目でまた！

では失敬
白眉～作者より～