四畳半トリップ~《秘密の部屋》結~【ハリー･ポッター】 (ページ30)

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ルシウス・マルフォイの青白い顔が一層蒼白になるが、その細い目はまだ怒り狂っている。

ル「すると───あなたは襲撃を終わらせたと？犯人を捕まえたとでも？」

ダンブルドアが私に目配せをし、そうして私の肩に暖かな手を置いて、私はにっこり笑って言った。

『前回と同じです、ルシウスさん。ヴォルデモート卿です』

「なるほど─────」と、ルシウス・マルフォイはしばらく間を置いてから私を見据えて言った。

ダ「狡猾な計画じゃ。何者かに、ヴォルデモートの学用品をここに滑り込ませる───彼女が意識的にやっていない証明はできないじゃろう」

その間にも、トビーは何とかしてことの真相を伝えようと、ハリーにジェスチャーをしていた。

すると突然、ハリーは理解したかのように口を開く。

ハ「マルフォイさん、あなたがジニーの大鍋に日記を滑り込ませた、そうでしょう？」

「何を証拠に」と、食いしばった歯の間からルシウスが唸った。

ダ「確かに、証拠はない」

ダンブルドアは微笑みながら言って、ゆっくりと立ち上がる。

ダ「ヴォルデモートの昔の学用品をばら撒くのはもうやめることじゃ。次にはもう、アーサーが君だとすぐに突き止めることじゃろう」

ルシウス・マルフォイは、一瞬立ちすくみ、杖に手を伸ばしたくてたまらないというように、右手が動くのがはっきりと目に捉えられた。

するとルシウスはローブを翻して、ドビーを蹴り、扉の向こう側へ足早に去っていく。

その後ろ姿は怒りでフルフルと震えていた。

そうしてハリーはリドルの日記を手にし、ルシウスのあとを追いかけて、部屋を出ていった。

〇

「宴には参加しないのかね」と、威圧的な声が古井戸の縁に座っていた私にかけられた。

夏の夜は心地よく、そして神秘的な深みをもって、凛とした静けさは、星のない重たげな空全体に広がる。

『私が宴にいなくて寂しかったですか？教授』

私の柔らかな声が暗闇の中にいる教授に投げかけた。

ス「貴様は！──────」

怒鳴ろうとした彼からそれ以上の言葉は発せられず、薄暗い中で古井戸の縁に座っていた私の目の前に立った。

『答えないってことは、寂しかったって解釈していいんですか？』

そういった私の言葉を無視して、彼は堰を切ったように、しかしなるべく声を低くして話し出す。

ス「昨年と同じだな、また勝手なことを」

『心配してたなら、心配してるっていえばいいのに』