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私たちはロンが開けてくれた通り道を通じて、記憶喪失になったロックハートを連れて不死鳥が上まで連れていった。
そうしてロンを寄せ付けないジニーにロンは私へ非難がましい目を向けていた。
実の兄であるロンにジニーは泣きつくことはなく、なんならそんなに話したこともない私に泣きついているのだから、あんまり気持ちは良くないんだろう。
女子トイレを出て、廊下を先導しているフォークスに続いて私たちは歩き続けた。
急ぎ足でフォークスに従って行くと、間もなくマクゴナガル先生の部屋の前へと出る。
そうしてノックをして、扉を押し開く。
私たちが、泥にまみれたゴミのようになった姿で(私とハリーはその上血まみれで)戸口に現われると、一瞬沈黙が流れた。
そうして突然に「ジニー!」という叫び声が上がる。
暖炉の前で泣いていたらしいウィーズリーおばさんがジニーに抱きつき、ウィーズリーおじさんも愛しい娘を抱きしめた。
私はジニーから一歩下がり、部屋にいたマクゴナガル先生とダンブルドアと─────クィリナスを見た。
クィリナスは心労で顔を青白くさせ、そしてどことなく安心したような顔を私に向けていた。
モリー「あなたたちが、あの子を助けてくれた! あの子の命を! どうやって助けたの?」
「私たち全員が、それを知りたいと思っていますよ」と、マクゴナガル先生が弱々しく言う。
私の方をちらりとみたハリーに、私は『よろしく』と一言だけ言った。
後ろに下がって、ローブを着ては杖を元の位置に直していると、神経質そうなクィリナスが横歩きで近づく。
私はそんなクィリナスの方を向いて、したり顔をして見せた。
『ご主人様がいなくて、寂しかった? 』
「寂しいもんですか」とクィリナスは声を時折つまらせながら言った。
クィ「セブルスがあなたを探していましたよ」
『知ってる、でも会いに行ってやらない』
私は狡猾に微笑み、クィリナスが頭を手で抑える。
『いつまでも待ってばかりじゃあ、楽しくないもの』と私は肩を竦めて言うとクィリナスのため息が上から聞こえた。
クィ「面倒ごとは嫌いですからね」
ジニーはウィーズリー夫妻に連れられて医務室に向かい、私達はホグワーツ特別功労賞を貰った。
そうしてハリーとロンが退室すると、私はクィリナスを外で待ってるように伝え、部屋の中には私とダンブルドアの二人だけになる。
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作者名:白眉 | 作成日時:2022年5月5日 11時