四畳半トリップ~《秘密の部屋》結~【ハリー･ポッター】 (ページ11)

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広い壁を羽目板で調度された教員室は、黒っぽい木の椅子がたくさん置かれている。

ハリーとロンは興奮で座る気になれず、室内を往ったり来たりして待ち、私はらしくなく、壁に寄りかかった。

いくら待っても、休憩時間の鐘は鳴らない。

かわりに、マクゴナガル先生の声が魔法で拡声され、廊下に響き渡るばかり。

マ「生徒は全員、それぞれの寮にすぐに戻るように。教師と管理人は全員、教員室に大至急お集まりください」

「また襲われたのか？今になって？」とハリーは言った。

彼の肌がほんのりと青白くなり、その口角は不気味にわなわなと動いていた。

ロ「どうしよう？寮に戻る？」

『いや、やめとけ、寮に戻るよりもっといい方法がある』とできる限りの快活な口調を保った。

完全に、とはいかないがそれなりに保ててはいた。

左側にある先生たちのマントが掛けられた洋服掛けを指さして、『あそこに入ろう』と声を出す。

ハ「そうだね、いったい何が起こったのか聞こう。それから僕たちの発見したことを話そう」

洋服掛けの中に隠れて、頭の上を何百人という生徒と先生が、移動する音を響き、頭上に埃が落ちてくる。

やがて教員室の扉が開いた。

カビ臭いマントの間から覗くと、先生達が次々と部屋に入って来る姿が見える。

「とうとう起こりました」と、静かな教員室でマクゴナガル先生が話し出した。

マ「生徒が連れ去られました。秘密の部屋の中に」

教授は、椅子の背を握り締め、「なぜ、そんなにはっきり言えるのかな？」と言った。

マ「継承者が伝言を書き残したのです。 ''彼女の白骨は永遠に秘密の部屋に横たわるであろう''」

マクゴナガル先生の青白い顔が本格的に現状が最悪であることを伝えている。

「誰なんですか？」と、腰が抜けたように、椅子にへたり込んだクィリナス･クィレルが言った。

クィ「どの子です？」

「それは……」と言ったマクゴナガル先生は、やり切れない思いを示す。

マ「ジニー･ウィーズリー」

私は隣でロンが声もなく崩れ落ちるのを感じ、ロンの背に優しく手を当てた。

マ「明日、全校生徒を帰宅させねばなりません。ホグワーツは、これでおしまいです」

教員室の扉がもう一度バタンと開き、誰もがダンブルドアであって欲しいという希望の瞳で扉の方を向く。

しかし、それはロックハートである。

状況の掴めていない彼は、ニッコリ微笑んでいた。

そうして教授が意地悪げな笑みを浮かべて、一歩前に出た。