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『ら……雷切丸？』と繰り返して、私は恨めしそうな顔をしていわながひめという男を見た。
「まあ少し、ことを進めただけだ」
そう言って男は余裕そうに快活な笑い声を上げ、下にいたこんのすけは頭を傾げても私と男の方を何遍も交互に見つめる。
私は上半身を起こして、男のスーツを掴もうと手を伸ばすと私の目に最初に見たことも無い服が飛び込み、行動が止まった。
『待って、来た時と服が違う』
「刀剣女士の勝負服だと思えばよかろう」と男の口元には柔らかな微笑が宿っている。
こん「待ってください、
こんのすけの顔が少し強ばったような表情になるのに対して、男は柔らかな微笑を見せている。
「勿論、合意の上だとも、そうだろう雷切丸」
『そりゃ……合意の上だけど、でも気絶している間にやるなんて、いかがわしい。 神様だろ、もっと道理を───』
私の文句をするりと交わして髭面のいわながひめは「こんのすけ、刀はどこかね」と言葉を発した。
すると突然こんのすけは尻尾を縦にあげ、探しに行くように急いで医務室の外を出ていった。
その愛らしいふわふわな後ろ姿を見ているといわながひめは、こっそりと私に近づき、小さく耳打ちをする。
「あまり緩むな」
男の顔には、固唾を吞んでいるような真剣な色が表れ、真剣な面持ちで私を見ていた。
睨んでいるというほうが近い。
私は咄嗟に鳥肌が立ち、いわながひめの方を見つめて、その黒いサングラスを仰ぎみる。
「貴公は図らずも政府刀になったのだ、 わかるだろう？」
なにか含んでいるような物言いに私は理解出来るはずもなく、頭を傾げた。
『ちっとも分かりません』
「思いのほか阿呆だな。 貴公は刀から顕現したわけでもなければ、''雷切丸''という付喪神でもない。生身の人間であった」
『であった？ ちょ、ちょっと待って、それってつまり────』と口を開くと、いわながひめは人差し指を立て、私の唇をほんのり押し当てる。
「簡単な話、貴公はもう人間ではないということだ」
バッサリと言ったいわながひめを見ながら、私はこの男が神様だと言うのが何となく腑に落ちた気がした。
彼にとって私は他人事であり、神様なのだから哀憐の情をかけるのも好き勝手であり、残酷なことをサラリと言ってのける。
「しかし貴公が望めば人間にだって戻れる、縁を切ることになるがな」
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5(プロフ) - マーガレットさん» コメントありがとうございます！ 鶴丸、検討してみます！ (2022年7月18日 20時) (
レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
マーガレット(プロフ) - とても面白かったです！続き楽しみにしてます！落ちは鶴丸がいいです！ (2022年7月9日 2時) (レス) id: d2c059af4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白眉 | 作成日時：2022年6月25日 20時
