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加州「もう新入りイジメやめてよ、鶴丸さん」
加州は食べ終わったのか、立ち上がっては不満げな私に子供らしい笑みを浮かべて、ニヤつく顔で鶴丸を見た。
「いや、その」と申し訳なさそうな声を出す鶴丸にちらりと目をやりながら、私は加州の方を見ると、着替えを進めるように寝所の方に優しく私を押した。
そういう行動をしながらも何事もないように鶴丸と話し続けるのだから、気遣いがありまくりである。
私はそれに不意に笑みがこぼれて、少し足取りを軽くしてすぐに自分の寝所に入り込んだ。
〇
着替えを済ませた後、私は小さな寝所で仰向けになり、少し高い天井を見上げながら、扇風機の電源を入れる。
それにしても、数分前のイワナガヒメとの出会いは平凡であった。
前は屋台で、次はいきなり時空を曲げて現れた。
何らかの奇蹟を見せられたわけもなく、こんのすけやら政府の人やら神のお使いがうやうやしく現れたわけでもない。
たまたま屋台で私の隣に腰をかけただけであり、時空を曲げて私の目の前に現れただけ。
『説得力ない─────』
しかしこの説得力がない感じが、何だか説得力があるような気がするという答えは説得力がないだろうか？
しかし、神無月までに答えを聞きたいだなんて。
私は元から置いてあった書棚を漁って辞典を取りだした。
神無月つまり旧暦の十月であり、八百万の神々が出雲へ集まって諸国がお留守になるということは多くの人が知っている。
この刀剣乱舞というゲームに卒倒し、部屋で『なむなむ』と言って過ごしていた私だって知っていた。
八百万、八百万ということは日本人口の約十五分の一に当たるわけだから、その中に妙な奴がいても怪しくはない。
というより私も一応、付喪神と人間のハーフみたいなものだから、この十五分の一に入るかもしれない。
しかし問題なのがこの八百万の神が神無月、出雲に行って何をするのか、ということだ。
無論、こんな付喪神と人間のハーフみたいな奴も含まれるのであれば、神無月に出雲に集まるのは大きな行事と言って差し支えない。
その日、辞典を調べてみて、恐るべき事実を私は目の当たりにした。
そこには、八百万の神々は出雲で論争の末に、男女の縁を決めているということが書いてあったのだ。
たかが運命の赤い糸を結んだりほどいたりするために、諸国の神々がわざわざ一堂に会するという。
しかも一ヶ月間。
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5(プロフ) - マーガレットさん» コメントありがとうございます！ 鶴丸、検討してみます！ (2022年7月18日 20時) (
レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
マーガレット(プロフ) - とても面白かったです！続き楽しみにしてます！落ちは鶴丸がいいです！ (2022年7月9日 2時) (レス) id: d2c059af4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白眉 | 作成日時：2022年6月25日 20時
