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その不思議な雰囲気は人を誘い込み、年間何万人という参拝客がやってくるのは当然な話で、中でも商売繁盛を叶えてくれるようでデパートの屋上でよく見る。
ともかく京都に住む私もこの神社を訪れたことがあるが、その時何やらカランとした鈴の音を聞いたような気がする。
伏見稲荷大社と言えば電車を二十分弱乗ると、私が通う大学に行きつくのだが、ここで冒頭の話に戻ろう。
なぜ私が大学生活を棒に振ったか、そうしてなぜ私が刀剣乱舞に卒倒したのか。
そこから今の''刀剣女士''という流れも見い出せよう。
高校生の頃は特に部活はしておらず、刀剣乱舞に卒倒していた日々が続き、同じように卒倒している女子達と燻っているばかりであった。
挙句には先生からは「本物の青春は高校ではなく、大学にある」とまで言われた。
先生はどうやら私に青春を諦め、刀剣乱舞にではなく学問に卒倒して欲しかったらしく、私は一種の失望を感じた。
しかし当時の私はピカピカの大学一年生。
桜の花はすっかり散ってしまい、青々とした葉を仰ぎ見て、清々しい思いを持った。
新入生が大学構内を歩けば、とにかく大学サークルのビラを押し付けられるが私は華々しい妄想に思いを馳せ、気づいた時には構内のベンチで腕いっぱいにビラを持っていた。
私は来たる華々しい大学生活に興奮しながら、ビラを見つめる。
ビラの内容は千差万別。
私が特に興味を持ったサークルは、サイクリング会「ヘリオス」、ソフトボール同好会「わたがし」、テニスサークル「ねこだまし」、奇想天外な「来たれ従者」
秘密結社「未来機関」
まだ沢山あるが私はピカピカの大学一年生であり、こんなに腕いっぱい抱えられたビラの中に私が望む青春が詰まっていると思うと、鼻血が出てきそうな気さえした。
しかし現実はそう甘いものではない、ということを興奮で忘れていた私が選びとったサークルは─────サイクリング会「ヘリオス」であった。
そもそも自転車に乗れない私だが、刀剣乱舞への恋のランデブーに駆け出すと共に、現実である異性との交遊に漕ぎ出そうと考えた。
しかしこの考えをあとから振り返ってみれば阿呆なもので、自分を阿呆だと認めざるを得ない。
青春を掴むべく、異性とのランデブーに走りかけた私にはいつも刀剣男士が心に居座っていた。
そうして私に「それでいいのか」と尋ねてくる。
刀剣乱舞への熱が上がるのと同時に私はサークルに対する失望感に益々拍車をかけた。
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5(プロフ) - マーガレットさん» コメントありがとうございます！ 鶴丸、検討してみます！ (2022年7月18日 20時) (
レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
マーガレット(プロフ) - とても面白かったです！続き楽しみにしてます！落ちは鶴丸がいいです！ (2022年7月9日 2時) (レス) id: d2c059af4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白眉 | 作成日時：2022年6月25日 20時
