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『へっ？』と間抜けた声を洩らしても、こちらを見つめる山姥切の表情は一切変わらない。
山姥切「湯汲みのやり方だ」
どうやら山姥切は私が聞き取れなかったものと見なしたようで、少し頭を傾げたような仕草をする。
待て、湯汲みって完全に私は男士認定されているって言うことだよね。
「まずは脱衣所に入って、服を脱ぐ────教える為に俺も一緒に入る」と続ける山姥切を私は遮った。
『ゆ、湯汲みのやり方は知っているんです』
山姥切「なぜだ？ 初期刀に選ばれる前、政府にいたが俺は教えられなかったぞ」
『な、なぜって、そりゃ……』としどろもどろになりながら、山姥切から目を逸らし、困ったように頭を掻いた。
どうやって切り返せばいいのか。
山姥切「まあいい。 湯汲みのやり方を知っているならそれでいいが、俺も丁度入るから別に構わんだろう」
いや、いやいや、そういうことじゃないんだけど、どうしよう。
そんなことを思いながら山姥切の方に目をやるとその瞳は、混じり気がないほど純粋でただひたすらに私の言葉を理解しようとしているように見受けられる。
───もう一度、選択をやり直せと言われればやり直すことは些か吝かではない。
せめて数時間前からでも。
山姥切「ん？─────何を隠している」
山姥切は一歩ずいっと近寄り、私は反射的に近づかれた分後ろに下がると怪訝そうな顔が顔一面に彼の顔に広がる。
言った方がいいのか？ 私は女士なんです、と。
答え兼ねる私と疑うような目をする山姥切という気まずい空間を通りかかったのは、線の細い主であった。
主「あ、山姥切」
そう呟いた主に私はできるだけの助けの手を求めるような目で凝視し、主は私と山姥切、そうして脱衣所の暖簾を見て、閃いたようである。
主はサッと私と山姥切の間に入り込み、山姥切を見上げて「ちょっと雷切丸に用があるから」と言った。
そう言うや否や、主は私の腕を掴んで早歩きで大広間の方に向かう。
「ん？」という山姥切を置いて。
私は少し後ろを振り返ると用心深く私と主の様子を見る山姥切は何だか怖く感じた。
怖く感じたと言っても、私がこんな半端な気持ちで刀剣女士になったせいであり、何ら山姥切には関係がないし、悪いことでもない。
しかしこの当時は怖いとすら思えてしまったのだ。
真実を見抜こうとする目はこの上ないほど鋭く私を''真実''という言葉で切り倒そうとしているように感じた。
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5(プロフ) - マーガレットさん» コメントありがとうございます！ 鶴丸、検討してみます！ (2022年7月18日 20時) (
レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
マーガレット(プロフ) - とても面白かったです！続き楽しみにしてます！落ちは鶴丸がいいです！ (2022年7月9日 2時) (レス) id: d2c059af4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白眉 | 作成日時：2022年6月25日 20時
