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『あ、いや』
すぐに箸を握りしめ、応酬すると向かい側にいた山姥切の冷ややかな声がすぐに飛んでくる。
「鶯丸」と声を発した山姥切の方を見ると面倒ごとはもう沢山だと言いたげな目で私と鶯丸を見ていた。
一応断った気でいた私だが、山姥切の目を見る限りそれは認められていないようである。
山姥切「そいつは短刀だぞ、酒を飲ますな」
鶯丸「ん？ そうだったか？ でもいいじゃないか、もう何百年も生きているのだろう？」
「確かにそうだ。 体格も脇差ぐらいだが、人間の体で考えれば、まだ十何歳の体だ」と山姥切は目をそらすことがない。
山姥切「人間の体では齢二十になるまで酒を与えるなと教えたはずだが」
鶯丸「ああ、聞いたな」
山姥切「そいつはまだ十何歳の体だ」
鶯丸「
山姥切は少々唸った。
山姥切「大差だ」
そこで話の区切りがついたのか、山姥切はまた食べ始め、鶯丸は「そうか」と今さっきの会話を口の中で回しながら、私を見ている。
その目は初めて出会った時の山姥切のような
目の端でそのことを確認しながらも、私の中には山姥切の言葉が渦を巻き、鉛を呑んだように重苦しく感ぜられる。
〇
歓迎会も終わり頃、どうやら食べ終わった山姥切はサッと立ち上がり、私のところまでやってくる。
山姥切「来い、本丸の案内をする」
「それなら俺が代わってやろう」と言ったのは私の隣にいた鶯丸で、山姥切は反響するように早く「結構だ」と切り出した。
山姥切「あんたは酒を飲ましかねない」
鶯丸「そう頭を固くして考えることでもないだろう」
「俺は主に酒を飲ましたのを忘れないからな」と山姥切が言うと主が乾いた笑い声をあげたあたり、鶯丸は常習犯だな。
山姥切「行くぞ」
『はい』と少しのんびりな返事をする。
そうして前を歩く山姥切について行き、私達は一足先に大広間を出た。
山姥切の案内、いや山姥切が向かう目的まで私は、今日起こったことをできるだけ整理しようと努め、無意識に『ふん』と小さく息を洩らす。
そうやって机の引き出しを整理するようにしているとふと思い起こすことがあった。
─────そういえば、山姥切は私のことを呼ばないな。
それってやっぱり信頼されてないってことなんじゃ……
山姥切「湯汲みのやり方を教える」
『へっ？』
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5(プロフ) - マーガレットさん» コメントありがとうございます！ 鶴丸、検討してみます！ (2022年7月18日 20時) (
レス) id: 1c6ab8c3e1 (このIDを非表示/違反報告)
マーガレット(プロフ) - とても面白かったです！続き楽しみにしてます！落ちは鶴丸がいいです！ (2022年7月9日 2時) (レス) id: d2c059af4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白眉 | 作成日時：2022年6月25日 20時
