【BANANA FISH】夜の街に輝く《男主》Ⅱ (ページ10)

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56話ページ10

久しぶりにアッシュと対面しては、どういう顔をすればいいか分からず下を向いていた。

ところがアッシュはそんな様子も見せず僕を強く強く抱きしめてきた。

『……アッシュ…？』

「ごめんな……ショーターのこと……ありがとな」

''ありがとな''

そんなことを言われる筋合いなんてないのに。

ましてや、お礼させるなんて。

一発や二発ぶん殴られるかと思ってたけど全然違かった。。

『アッシュ……』

アッシュは切り替えて、僕の腕を掴み英二を助け出すと言いながら僕に銃を渡してくる。

『……』

『アッシュ、アッシュは先に英二達をお願い。僕は……ショーターを探してくる』

「！？ノア、それなら俺も」

『ダメ……今のアッシュが見たら、おかしくなるよ。
僕は大丈夫。……ね？だから、お願い』

僕はアッシュの前から走り出し、ショーターがヤク漬けにされたところに向かった。

＿＿＿＿＿＿＿＿＿

場所に着くと、階段があり下っていくとそこにはエイブラハムが目の前で尻もちを着いていることがわかる。

「助けてくれ！殺さないでくれ！動けないんだ…中国人の女に針で刺されて…そいつがサンプルを…バナナフィッシュはもうここにはないんだ！！｣

ユーシス……

その横を見ると、ショーターの体が……頭が……

『あぁ……あああ…なんて事を』

僕がきちんと心臓ではなく脳を撃っていたらまだこのようになる可能性は低かったんでは……

『あああ……』

「仕方なかったんだ！バナナフィッシュは突然変異物質で情報不足なんだ！だから脳が必要で…悪かった！僕が悪かったよ！｣

『仕方ない……？ふざけるな……そんな言葉で僕たちの親友が……かけがえのない親友がこんな事されて仕方ない……？笑えるな。』

『そう言えば言ってたよな……お前。

あの時のお前は''絶好なチャンス''と。

なら、僕も今お前が殺せることに''絶好なチャンス''だと言うわけだ。

本当は死にたくなるぐらいまでおぞましいことをしてやりたい。

でも生憎時間が無いんだ。

ショーターの分、アッシュの分、英二の分、

そして、ショーターの仲間たちの分。

僕はその思いでお前を殺してやるよ。』

「ひっ！お願いだ。許してくれ！！」

僕は、銃口を向けエイブラハムに何発かも分からないぐらいに撃ち続けた。

しかし、銃弾はなくなり最後にショーターを見ながらこの部屋に火をつけた。