【BANANA FISH】夜の街に輝く《男主》Ⅱ (ページ38)

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84話ページ38

『ブランカ……もう…僕たちを……''自由''にさせて……もう疲れたよ……』

風邪で頭まで弱ってしまったのか。

もう何も考えたくない。

「ノア……」

ブランカの優しげな表情は最後まで見ることは出来ず瞼を閉じてしまった。

最後に聞こえたのはアッシュと話すブランカの声だった。

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あれから48時間の間に具合の悪かった僕を休ませようとしていたアッシュだったがそんなことをしている暇もなくできる限りのことをした。

そして、時間が迫り来る頃……

「というわけですムッシュ｣

「お見事です月龍殿。感服いたしました｣

「これで私の役目は終わりですね｣

「ご苦労だった｣

ブランカ……

本当にお前は''やな奴''だな。

こんなの照れ隠しでもなんでもないな

車に乗りこみ僕はそのまま目を閉じた。

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あれから数日が経過した。

あのあときちんと休まずにいたせいで体のあちこちは痛いし吐き気も多いし咳は止まらないことで寝室で療養していた。

身体が前よりも弱ってしまった。

疲労によるものでもあるんだろうな

部屋で点滴を打っているとディノが含みのあるニヤッとした顔が見えた。

『……僕らを捕まえて嬉しそうだね。』

「あぁとっても」

「お前の風邪が治ったら最初はわしの相手になってもらおう」

『もう……このまま疲労でしんでしまいたい…』

虚ろな目でどこを見ているかもさえ分かっていない。

すると、ディノが早々とこちらに来ては頬を叩く。

バチンッ

『ッ……』

「そんなにまでしてわしから逃げたいか」

「死んでわしから逃げるつもりか!?」

胸ぐらを捕まれ鋭い目付きで睨まれたあとベッドに思いっきり落とされた。

「病気なら最高の治療を施してやろう。だが、しによって逃れようとたくらんでいるのならすぐにもあの日本人に後を追わせてやるぞ！」

『……やめて…』

「ならばいい。近々一流ホテルで大々的に人寄せをするつもりだ。そこで正式に発表する。お前達を養子にすると。名実共にわしのものにしてやる。後継者という名の奴隷にな」

お前を……父さんと呼ぶのか？

ハハハ…そりゃまた飛び切りクソな冗談だね。

あんたは僕らをただの男達の道具としか思ってなかったんじゃなかったっけ？