【BANANA FISH】夜の街に輝く《男主》Ⅱ (ページ33)

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79話ページ33

あの後アッシュが銃撃された場所を連れて来てくれた。

『ここから?』

「キッパードとホルストック。どう考えても偶然とは思えない。ホルストックも事故に見せ掛けたんだ。ここからキッパードの頭をぶち抜く腕があるなら不可能じゃない｣

……なんかさ嫌な予感するのっての僕だけかな。

冷や汗が垂れると目の端に写ったものは昔見せてくれていた本が落ちていた。

……いや、わざと置かれていた…と言っても過言ではないか……な。

『アッシュ、まさかとは思うけど……まさかのまさかのまさかの''あいつ''では無いよね……？』

「いや、そのまさかだな」

……どうするべき……。

せっかくまだ良い調子だと感じていたのにあいつが参戦したら勝ち負けなんて……目に見えてるんだ

アッシュだってそれにはもう分かってるはずだ

＿＿＿

僕達は家に帰ってアッシュは寝室に入った。

リビングでは英二が珈琲を作っていたらしくそれをアッシュに持っていこうとしていた。

当然僕にも珈琲を持ってこようとしたが今は飲む気分でもなく断った。

英二は自分用とアッシュ用の珈琲を両手に寝室に向かおうとしていた。

僕はそれに対して英二の肩を軽く掴んでこう言った。

『英二両手じゃ危ないよ。僕が扉を引くから』

それに今ここが安全と言っても、もうこの事態じゃ何処が安心できるのか分かったもんじゃない。

「そう？ありがと」

寝室の扉を少し警戒しながら開けると瞬時にアッシュの声が放たれた。

「来るな！！！」

ズドンッ

『……ッ』

アッシュは英二と僕を抱き抱えながらこの部屋を出た。

腕から血は出ているがさほど深くはない。

けど動かすのに少しだけ苦労しそうだな。

わざと外してる……そんな感じがした。

「ノア！今救急箱持ってくるから安静にしててね！｣

駆け足でリビングからでた英二

別にこんなの舐めとけば……って言いたいところだけど段々と血が出てきて舐めるのにも戸惑ってしまう。

アッシュもまたこの部屋から出て携帯を出すように誰かに連絡しようとしていた。

とうとうアイツに電話するのか。