【BANANA FISH】夜の街に輝く《男主》Ⅱ (ページ20)

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66話ページ20

誰かがこれはおとぎ話ではなく現実の出来事だって知らせなきゃいけない……

『そろそろ帰るよ』

「……英二はどうしてる？」

少し不安そうな顔を浮かべるマックスにアッシュは何故？と答えた。

「あっいや…イノセントってやつは下手すると銃より危険だからな｣

……

「明日は帰国だろ？話したのか？」

余りその言葉は聞きたくなくなってきたな……。

英二と一緒にいたい。

アッシュだってそうだ。

『……まだ』

「時間が無いぞ」

『「そんなの分かってる！！」』

「いつもコンピューターみたいに正しい答えをはじき出すお前達の脳もあいつのことになると計算が鈍るってか？」

「うるさいな」

マックスはこういう所だけは鋭いから嫌なんだ。

苦手というか嫌い！

……でももし仮に僕かアッシュ、どちらかが死んでしまったらこの仕事をきちんと続けてくれるかな。

でもそんな事を聞いたところで何も答えは出ないだろう。

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真冬は冷えるなぁ……

吐く息は全部白く、数秒も立たないうちに消えてしまう。

いつか僕も死んでしまう時が来る。

アッシュだって人間誰だってそうだ。

今こうやってアッシュと二人で帰ってる時だって誰かに狙われる可能性だってある。

僕たちの生き方は辛いね、アッシュ

『アッシュ、手つなご』

「別にいいけど珍しいな」

『……''寒くてね''

それに、今夜だもん。

どちらかが決着を着くことになりどちらかが【死】を待ってるんだ。』

そう思うと僕は……怖くて、辛くて苦しいんだ。

僕もきちんとアッシュの援護はするよ。

でもアッシュは僕とオーサーの戦いを許してはくれないだろうね。

「お前……知ってたのか」

アッシュは僕に危ない目に合わせたくないと思ってて自分から言わないもんね。

そうやって自分から離れていくのはどうかと思うよ？

「お前は来るな」

『……なんで？』
危ないから……でしょ？

「……危ないし……何よりもお前が死ぬことは嫌なんだ」

……全く。どこからそんな顔ができるんだよ。

僕はアッシュに甘いけど、今回ばかりは嫌だと。

僕は言うよ。

『アッシュ、君がやろうとしてることも全部危ないこと。

自分なら大丈夫？ふざけるのも大概にして。

小さい頃から一緒にいたのにいつまで僕を子供扱いするの？

アッシュの足りないところはそういう所だよ』