【BANANA FISH】夜の街に輝く《男主》Ⅱ (ページ16)

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62話ページ16

アッシュside

P.M.13：00

ニューヨーク・空港

この時間帯だと人は多くなってくるな。

そして、目の前にはディノが。

「ハーイ」

＿＿＿＿＿＿＿

「慌ただしい出国だね。今度帰ってこれるのはいつかな？｣

挑発を乗せながらアッシュはディノに言った。

「そう遠いことではないさ｣

ディノもその挑発に乗るように話出した。

「あんたの投資のおかげともいえなくもない｣

そう。アッシュは全額色んなことに使い分け、膨大な金を積み込んでいた。

「その見返りがこれというわけか｣

そんなちっぽけなこと。と言えるぐらいまだ余裕なディノ。

「利子は払ったさ。今までに十分すぎるくらいね｣

上から見ているアッシュの態度はまさに美しい。
そのような物だった。

「以前はただあんたさえ倒せば自由になれると思っていた。だがどうもそうじゃないらしい。あんたらが何をたくらもうと俺とノアは必ず邪魔させてもらう｣

宣戦布告を言い出したアッシュにディノは恐れもせずただただ淡々と述べていくことを聞いていた。

「宣戦布告というわけか。では私も帰国するときは腕のいい剥製職人を連れてこよう｣

剥製。それはなんだ？とも言いたげなアッシュは剥製？と声を出した。

「剥製？」

だが、それを聞いたアッシュは直ぐに顔を曇らせた。

「むろん作るのだ。お前の剥製をな。お前の剥製を作ったやつをノアと一緒に見ながら快楽に溺れながら夜を明けたいな｣

こいつは俺よりもノアの執着、固執がどうにも強い。

こいつにノアをあわせたら最悪だ。

「ノアには指一本触れさせねぇよ。
ま、飛行機が落ちないことを願うぜ。
一緒にいる他の客じゃ天国へ行けなくなる。」

そして、最後に

「Bon Voyage」

それだけを述べて言った＿＿＿＿＿＿。