【BANANA FISH】夜の街に輝く《男主》Ⅱ (ページ15)

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61話ページ15

『……ん』

目を開けると朝日は昇っており、カーテンの隙間から日差しが覆いかぶさり、眩しさを感じる。

部屋の辺りを確認するとアッシュは居なかった。

丁度いい、お出かけでもしようか。

まぁ今そんな場合でも無いけど。

でも最近寒いし冷えるしセーターの服は欲しいし……

何かあれば何とかなるでしょ。

『英二、少し出かけてくるけどアッシュには内緒ねぇ』

「どこ行くの？」

『服を買いにね』

「分かった」

『いい子で留守番しとくんだよ』

「何だよそれ！」

ふくれっ面になりながら頬を膨らませる英二。

可愛いわんちゃん

外に出ると冷たい風が身体にあたる。

さっさと行ってさっさと帰ろう

何分か歩いて服を買いに行き、帰り道を歩いているとガラの悪い男が3人僕を囲むように見ていた

『何ですか』

「な？言ったろ？これは上玉だって」

「まじだな。こいつ男のくせに女みたいだな」

「俺こいつならいけるわ」

何なんだこいつらは寄って集って僕を見ては目の前で下品な事しか言わないのか

殺してしまおうか。

すると一人の男が頭を殴られたのか倒れてしまった。

何故かと思いきや、目の前にアッシュが。

アッシュは呆れ怒り顔だった。

僕の手を掴んでは帰るぞと言うだけで残りの二人はそれにキレてアッシュの肩を掴んだ

あーぁこいつら終わったな

「触んなよ」

アッシュがそう言えば男二人を回し蹴りをし、二人は倒れてしまった

黙ったまま歩くこと10分が経過した。

『……アッシュ？』

「なんであんな所にいたんだ」

『えーと……服を……』

「それなら仲間たちに頼めばいいだろ」

『……でも』

「でももクソもない。今俺とお前はあいつらに狙われてるんだ。もしお前に何かあれば……」

『……ごめん』

でも別にいいじゃん。

僕だって息抜きはしたいさ。

それにアッシュだってそう言ってるけど実際アッシュも出かけてるじゃん。

どんだけ僕はひ弱に見られてるの。

僕はアッシュと同じぐらいの……強さ……は……あるもん

なんか自信なくなってくるな

「出かける時は俺も呼べ。それならいいぜ」

『……わかったよ』