【BANANA FISH】夜の街に輝く《男主》Ⅱ (ページ14)

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60話ページ14

アッシュside

初めて出会った時のノアはとても儚い存在だった。

木の下で本を読んではいつの間にか居なくなっていた事だってあった。

ノアは時折、どこを見ているのか分からなくなる時があった。

何を考えて

何をしたいのか

いつもそれを考えていたのは俺だった。

家の近くで少年野球チームができていた。

野球が好きな俺にとっては兄さんとよく練習なんかもしてた。

だから、ノアを誘って野球チームに入れてもらっていた。

だが、まさかあんな事になるなんて夢にも思わなかった。

あの日からノアは自然と笑みを見せなくなり、いつしかノアは俺にとって遠い存在になってしまった。

だが俺はそんなことはさせなかった。

どんな時でもどんな事でも必ずノアのそばにいて消えないようにずっとそばに居た。

昔のことをこうやって考えると俺は恥ずかしいことをしてたんだなと今に思う。

だけど、こうやってノアと一緒に入れることは良かったと心の中からそう思う。

どれだけノアが辛い思いをしているのかなんて分かっている。

俺よりも体力がないノア

俺よりも知識や頭脳を使ったものが高いノア

だったら俺とノアがいれば最強だろ？

だからさ、ノア

いつまでもそうやって一人で抱え込むなよ。

何が『大丈夫』だよ

大丈夫じゃねぇ様な顔しやがってさ。

俺は頼りないか？

だったら頼れるような男にきちんとなるからお前もきちんと『大丈夫』じゃなくて『助けて』って言えよ

無駄に深く考え込むノアの悪い癖。

知ってんだかんな

眠りにつくノアは本当に綺麗で愛おしい……