20話 ページ22
「なんかやけに人がすくねぇな」
「面白い見せ物があるからだろ」
「見せ物?」
「猛牛ブルが山猫と子猫をものにしてみせるんだとさ」
「えっ!?」
嘘だろ!?よりによってブルとかよ
いや__ 別にあいつは俺を憎んでいる
ほっとけばいい……
……ダメだ……グリフの弟達なんだ……ノエルだっている
「クソー!!」
「おい!どこ行くんだよ!」
___________________
「ガーベイにはあっさり許したんだろ?
優しくするから仲良くしようぜ子猫ちゃん」
『何言ってるの?ただ単に医務室に行きたかっただけで仲良くするなんて思ってないよ』
そう言いながら男は僕の顎をクイッとあげる
「ノエルに触るんじゃねぇ。頼むから俺を怒らせるな。
俺は男を扱うなんて慣れてんだよ」
「へぇーそうかい?じゃあ扱ってもらおうか」
「いいよ。その代わり、可愛がってくれなきゃダメだぜ」
『……』
男はアッシュに近づくとアッシュはそれを狙ったのか、すぐ側にあった布団を使い男に被せた
男は驚き後ろによろめいて、アッシュは飛び乗った
アッシュは男の首を絞めている
僕は椅子に座って見ていた
その瞬間檻のところからマックスがアッシュを止めに入る
「やめろ!ブル!相手は子供だぞ!」
「だから言ったろ?慣れてるって」
「殺すなアッシュ!そんな奴のために一生を棒に振るつもりか!?
それに、ノエルも!アッシュを早く止めろ!」
『マックス……何なの?急に、ここの檻から出ていって…次にはアッシュを助ける。なんで?さっきまで喧嘩してたのに、あぁ……グリフィン兄さんの弟だから情けをかけてくれたの?それはどうもありがとう』
「な、なにいって……」
「ノエル。もういい、言い過ぎだ」
『ごめんねアッシュ……』
「あぁ」
「あ、おい待てよ!待てったらアッシュ、ノエル!」
「うるせぇななんだよ」
「あっいや……大したもんだと思ってよ。
これでお前は認められたんだ。一人前の雄としてな」
「くだらねぇ。クズどもに認められたって嬉しくもなんともねぇよ」
『アッシュの言う通りだよ…ここにいるヤツらは全員弱いやつばっかだよ。
アッシュにはこんなの筋トレにもなんにもならない』
なんだろ……さっきから……いつもの僕じゃないなぁ
「ノエル……どうした?さっきから」
『なんでもないよ。アッシュ」
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作者名:一ノ瀬 潤 | 作成日時:2020年7月28日 1時