手記参拾陸頁目 ページ38
狛治side
「何を騒いでいる。」
そう低く唸るような声でそう言うと、俺の姿を視界にいれ嫌悪でその顔を歪めた。
「御前さんか、娘を唆したのは。」
そう憎げにそう俺を見つめると、ギリッと歯軋りを立てた。
「御前の顔を見るのも反吐が出る。……この罪人が!」
悔しくて、手を出しそうになるがそれは師範の教えに反する事なので下唇を強く噛みなんとか堪える。
「フン、まぁいいわ。娘の見合い前に騒ぎがあっては相手に合わせる顔も無いからな。……さっさと出ていけ。この畜生が。」
そう鼻を鳴らして、暴言を吐きちらかしっていった男は敷地の奥へとまた姿を消した。
俺は、自分の耳を疑っていた。何故ならば信じられない、いや信じたくない事を耳にしたからだ。
狛「Aさんが、見合い……?」
そう口にして、胸が騒ぎはじめる。
熱くたぎる血液は、身体中を巡っているというのに頭に熱い血液が溜まっているのが分かる。
「俺たち、家族は誰も父には敵わない。……見合いも、父が勝手に取り付けたものだ。」
呼吸が荒くなりはじめていた俺を、先程俺がしていたように擦ってそうAさんの兄様は言う。
「君を愛し続けると言った妹は、無理な見合いを取り付けられ挙げ句の果てに閉じ込められている。……昼間でさえ日をも見ることが許されない暗い部屋で。」
その言葉を聞いて、身体中の熱が一気に冷めていくのが分かった。
「妹は突如として訪れた不幸に一夜で変わり果ててしまった。君と添い遂げる事も諦めてしまったかのように……生気に満ちあふれていた妹は傀儡のようになってしまった……。」
口ははくはくと動くだけで、喉も空気を出すだけで衝撃の事実達に何も意見することは出来なかった。
「本当は君達を応援したかったが、父には敵わない……。父に逆らえば君達も危うくなる。だから……」
呆然とした力の入っていない俺を門の外に出すと此方を悲しげに見てゆっくり門を閉めた。
「ごめんな……君達を引き裂いてしまって……。」
それから、どうやって道場に帰ったかも分からない。
気がつけば荒れたように拳を庭の大木に打ち込む俺を師範と恋雪さんが憐れんだ視線で見つめていた。
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最高総合順位79位!?
「鬼滅の刃」関連4位!?
びっくりしすぎてスマホ再起動4回した主人公です()
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)
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