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手記参拾肆頁目 ページ36

狛治side





Aさんと心を通わせてから一夜明けて、今日はもう太陽が天上に上がる時間になっていた。





いつもは俺の隣にいる愛しい人の姿はない。いつもならば俺が起きる頃にはもう既に朝餉の準備と言って台所に立っているのに今日は姿が無かった。





恋雪さんの所に頼まれたお茶を運ぶと、恋雪さんも何処かそわそわとしていた。





恋「Aちゃん、何かあったのかな……出会ってから一度もここに来ない時なんて無かったのに……」





昨夜歩き回ったから大事をとって今日は布団から出ることを師範から禁じられた恋雪さんは、体調が悪い訳では無いが眉根に皺を寄せていた。





狛「俺が迎えに行ってきましょうか?」





俺がそう提案すると、恋雪さんは目を輝かせた。





恋「ええ!昨日、想いが通じ合ったものね!恋人を迎えに行ってきて下さい!」





からかうようにそう笑った恋雪さんを軽く受け流して、隣の剣道道場であるAさんの屋敷へと向かう。





重厚そうな木製の扉を拳で何回か叩くと、暫く経ってから門の向こうからぱたぱたと足音がして門が開いた。





「はい、何か御用ですか…………」





笑顔でそう出てきたAさんによく似た男。





いつぞやかAさんは、自分に良く似た兄が居ると俺に話してくれていた。きっと、この人がAさんの兄なんだろう。




笑顔を浮かべていたAさんの兄だと思われる人は、俺の姿をその瞳に映すとどこか悲しげに瞳を揺らした。





狛「Aさんは、いらっしゃいますか?」





俺がそう訊くと、目の前にいる男の眉間に弱々しげに皺が寄った。





「お引き取り……願います……。」





何もAさんの事を言わずに、その人は門を閉じようとした。





慌てて、門を閉めようとする手を制して問いただした。





狛「Aさんに、会わせて下さい!」





「駄目だ……お願いだ……帰ってくれ……」





門を閉じようとする力は物凄く強いものの、その人の口から溢れた言葉はどれもか細く震えていた。





狛「何故、会わせてくれないんですか!」





何故、Aさんを俺から隠そうとするのか俺には意味が分からなかった。

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設定タグ:鬼滅の刃 , 猗窩座 , 狛治   
作品ジャンル:恋愛
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主人公(プロフ) - まゆまゆさん» 本作品を見つけて頂きありがとうございます!私も映画見る前はそうでした笑是非ともこれからもご愛読頂けると嬉しいです(^^) (2021年3月26日 15時) (レス) id: b1a69e75f8 (このIDを非表示/違反報告)
まゆまゆ(プロフ) - やぁ〜、猗窩座とのお話しを探して三千里(はっ?)なかなか書いてらっしゃる方居なくて、見付けたら嬉しくて善逸みたいに汚ない高音でイィヤァァァア〜状態w自分無限列車何も知らずに観に行って猗窩座の第一声で石田彰さんて解って涎垂らしそうな程で、幸せ (2021年3月26日 14時) (レス) id: 442319c796 (このIDを非表示/違反報告)
主人公(プロフ) - 莉子さん» コメントありがとうございます。やっとこさ1を書き終えました。続編も近日公開致しますので是非ともこれからも応援お願い致します! (2021年3月18日 18時) (レス) id: 1c0023d245 (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 初めまして!この作品大好きで、ずーっと更新をお待ちしてたので嬉しいです!!!はくじさんと早く会えますように( ; ; )最後どうなるのか気になります!! (2021年2月21日 7時) (レス) id: da7568f49d (このIDを非表示/違反報告)
- 小説とても面白くて大好きです!更新頑張って下さい! (2021年1月9日 5時) (レス) id: 43b4052d04 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:主人公 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年11月9日 21時

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