サプライズ ページ26
yourside
風影・我愛羅や砂の三姉弟と私が住んでいる家は皆がいつも任務やら仕事やらで忙しく、物欲もそれぞれが無い為、質素だったリビングは一夜だけ豪勢に飾られていた。
部屋中を飾りつけ、食卓にはテマリ姐様と私が作った沢山の料理が並べられて四人で食べてもきっと余る量だった。
『姐様、あとは我愛羅を待つのみですね!』
手を洗ってエプロンを外しながら言うと、姐様も微笑んで
テ「そうだな、我愛羅が喜ぶといいな。」
と言ってリビングのソファに腰掛けた。
『私、プレゼントの準備してきます!』
そう声を掛けると姐様はによによとした笑みを浮かべながら私を見た。
テ「プレゼントは、Aじゃないのか?」
からかいの目線とその言葉の意味に気付き、顔が熱くなった。
『まっ、まさか!』
姐様の目線から逃げるように部屋に駆け込んだ。
今日は、私達だけじゃなく、沢山の里の人からのプレゼントが我愛羅へとここへ届けられている。
テマリ姐様が言っていた事……考えて無かった訳じゃない。私と我愛羅は恋仲という関係だが我愛羅が忙しく、休暇が中々とれない為恋人らしいことはあまりしていない。
一応、今日この日の為に新しい下着を用意して着てみたがやはり自分から言うのは……勇気が必要だった。
我愛羅は里の女の人達からはとてもモテていて、いつ我愛羅がそっちへ行ってしまうか分からない。
『覚悟を決めて……!私っ!』
拳を胸の前で作り、意気込む。
時計を見るとカンクロウ兄様が我愛羅を連れてくる予定時間の5分前だった。
リビングに戻り、テマリ姐様とクラッカーを持って二人の帰りを待った。
頭には先程考えた事が未だに残っていて、気持ちが少し滅入ってしまっていた。
上手く、笑えるといいな。
我愛羅の為にも。
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