人身売買 ページ1
ただいま私
私の両親は、私がまだ物心つく前に敵に殺されたらしい。親戚もほとんどおらず、個性もない身寄りのない私に手を差し伸べてくれたのは全身黒スーツのおじさんだった。
当時の私はもう死のうか、など考えていたぐらいまで追い詰められていたから、判断力が鈍ったのだろう。この選択をした私を殴りたい。
いかにもその人達は怪しいというのが体調が良くなればすぐに分かった。私はこれからどうされるのか不安でたまらなかった。
しかし、人身売買といっても私は14か15歳くらいまで普通に育てられた。文字や計算、料理や洗濯など、常識的なことは出来るようになった。
買ってくれる人に粗相のないように、だとか。私はいつも教育をしてくれている人に
貴方を買ってくれた人の命令は絶対なのよ。逆らうことは神様が許さない。天から貴方を見守っているわ。
と、言われてきた。私はそれが普通だと、その人から教わった。
「貴方の買い手が決まったわ。これから外へ向かいましょう。」
「はい、先生。」
私の教育をしてくれる人は、先生と呼んでと私に言ったのでそれ以来私は先生と呼んでいる。
「これから貴方が行くところには人が何人かいるらしいの。皆様には対等な態度を示しなさいね。いい？分かった、A」
「…分かりました先生」
「ふふ、良い子ね」
先生はそう言って頭を撫でてくれた。人に頭を撫でられるのは初めてだったのでどういう反応をすれば良いか分からず、なんだか顔が熱くなった。
長い長い車の旅を終え、地面に足を着くとそこは森の中だった。周りは何百年かけて育ったのだろうと思うほどの大きな木で囲まれていた。
その中に一際目立つ建物があった。館、だろうか…。なんだか不気味だ。
「先生…私、怖い…先生はもう行っちゃうの？」
行かないで…
こんなところに私を一人にしないで…
私は先生の服をギュッと摘む。
「…ごめんね、A。私は次の仕事があるから行かなくてはいけないの。……そうだ。貴方に私のこのネックレスをあげる。」
先生は自分の首にかけていたネックレスを首から外して、私に付けてくれた。
ネックレスには蒼くて、キラキラしてて、光に当てれば透き通るような綺麗な小さい石みたいなものが付いていた。私はそれを手に取る。
「きれい…」
「これはね、私の宝物なの。離れていても私は貴方の側にいるわ。…じゃあね、A」
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ハムハム - 初読みです！感動しましさこれからも更新頑張ってください！ (2020年2月4日 22時) (
レス) id: c324355dea (このIDを非表示/違反報告)
氷翠 - 初めて読んだけどすごく面白かったです！更新待ってます！！ (2019年9月18日 23時) (レス) id: 3797fcfa5c (このIDを非表示/違反報告)
ぴよこ(プロフ) - 更新楽しみにしてます！！！ (2019年7月28日 20時) (レス) id: d25bce6588 (このIDを非表示/違反報告)
漓娜(プロフ) - ここは逆に上鳴に勝ってほしい (2019年6月13日 23時) (レス) id: 47b69fc756 (このIDを非表示/違反報告)
轟轟 - 続き楽しみ 早く更新してね。ドキドキする 私も 夢主になりたいー (2019年5月9日 21時) (レス) id: e8d8b5ba4f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あみ | 作成日時：2019年2月17日 14時
