自販機事件【北信介】

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北先輩とは前のように差し入れしたり廊下で話したり、たまにお昼を一緒に食べたり、なかなかいい関係を築けてると思う。信介先輩って呼ぶことはまだちょっと慣れないけど、前よりは呼ぶ回数が増えた。





「いや、あかん」




「え？あかんって何が？」



「あかんやろ！！またそこで関係止まってるやん！！！」




今は放課後で、治くんに勉強を教えている。テスト1週間前なので部活動停止期間なのだ。集中力が切れた。と言われたので休憩がてらに話をしていたらまた怒られてしまった。




「う…そうだけどさ…？？まず信介先輩呼びを定着させていかないと……」





「甘いわ！大体、信介先輩って呼ぶのになんでそないに時間かかってるん！？A、ほんまにはよせんとやばいで？？？」




「え…どういうこと？？？」




「ただでさえ結構モテとんねんで？しかも北さん大学行くって言ってたからこの先余計に勉強で忙しくなるんとちゃう？？ぼさっとしてたら他のやつにとられるで」




あ…そっか………。私は2年生だから考えてなかったけど、そうだよね…3年生は受験もあるし、今年度卒業するんだ……。




「…うん。とりあえず今日家帰ったら考える……」




「なんかあったらすぐ連絡しぃや。北さんのこと知っとる範囲でなんでも教えたる」




「ありがとう、治くん。あと左のページの問4の(2)、間違えてるよ」



「うっ………」





18時くらいまで治くんと勉強をしてから家に帰ってきた。北先輩のことを考えてもんもんとしながらお風呂に入りご飯を食べた。勉強もしようと思ったが、集中できなかったので諦めた。




「そう…だよね…」




北先輩は頭良いって言ってたし、ていうかそもそも頭良くないと大学進学なんて考えないし……。どこの大学に行くとか聞いてないけど、もし県外の大学だったらもう会うことも難しくなる…。本当に、私今まで何をしてたんだろう…



今までの私の行動に後悔しながら寝っ転がっていると、スマホの通知音がなった。スマホの画面を確認すると、北先輩からのメッセージだった。

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