自販機事件【北信介】

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北先輩が…私のことを……名前で…？？えっ…？今、名前って言ったよね、え？名前？！！！！




「えっ！！？！あっっ、はい！！！！もちろんです！！」




私は気づいたら咄嗟にそう言っていた




「…そ、か。実はさっき言おうとしてた事はこん事でな…ほなこれからはAって呼ぶな」



ぐっっっっっっ…………名前呼び半端ないな？！！！！？えっ、大丈夫かな私…多分近いうちに死ぬのでは…？？？



「は、はい…！なんか、今までずっと山田って呼ばれてたからなのかAって呼ばれるとちょっと緊張しますね…！」




「俺のことも信介でええから」




はい？？あの、え？？？？？？




「えっ？！！！な、何言ってるんですか！！！私が呼び捨てなんてできませんよ！？！」




「じゃあ次俺ん事呼ぶとき、信介先輩って呼んでくれん？信介先輩って呼ばへんと返事せんからな」




「え？！！？冗談ですよね北先輩！！？」




いくらなんでもこれは冗談でしょ？！！いや、だって、信介先輩とか呼んだら私絶対死ぬ！！！！恥ずか死ぬ！！！！！！！




「………」




北先輩はこちらを見ているが返事をしない。信介先輩って呼ばなかったからなのか、ガン見されてるし無視…ではないと思うけど無視された




うわぁぁぁぁ北先輩？！！！！！なんで無視するんですか！！！！！




「き、北先輩！！！無視しないでください！！！！」




「信介先輩な」





「うっ……それは、その、少しずつ、練習するので…えっと…待っててください………」




なんとか言葉を振り絞って、今は信介先輩呼びを拒否した。嫌じゃないんだけど、あまりの緊張に不整脈起こしそうだし！！それと、この先ずっと無視され続けても困るし…。北先輩なら多分了承してくれるはず！！！！




「練習ってなんやねん。わかったわ。ちょっとずつ、な」




そう言って北先輩は少し笑いながら納得してくれた。すんなり"信介先輩"って呼べたらどれだけいい事か…。



名前呼びとか色々あったけど、今日の帰り道は昨日の帰り道よりも何倍も楽しく感じた。

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