自販機事件【北信介】

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「よっし…！！意外と上手くできた！！！」





治くんへの差し入れは、アーモンドバーにした。アーモンドを粗く砕いてビターチョコレートで固めるっていう簡単な工程なんだけど、上手く固まるか不安だったから綺麗にできて良かった…。アーモンドなら食べ応えあると思うし、チョコって意外とおなかいっぱいになるからね。治くんはどうかわからないけど…




私はクッキーとアーモンドバーをラッピングして眠りについた。






部活が終わるまであと3時間か…。今日は観覧可能日ではないので大人しく教室で勉強をすることにした。テストも近くなってきたからまあ丁度いい。今からはじめれば余裕でテスト範囲2周はできるだろう。




「…ふぅ。ってもうこんな時間か！そろそろ行ったほうがいいかな」



気づいたら時間が経っていて、今日はなかなか集中して勉強できた方だと思う。勉強は嫌いなのでいつもは長時間できないのだが、学校ということもあってか奇跡的に集中できた。私は急いで勉強道具を片付けていつものように校門に向かった。





校門に着いた頃、ちょうどバレー部の人たちが歩いてきていた。




あ、そういえば治くんに差し入れしなきゃ。いるかな…あ、いた




「治くん」




私はいつもより少し声を張って治くんを呼んだ



「…！！A！差し入れ持ってきてくれたん？？」




「うん。約束したからね。口に合うかわかんないけど、どうぞ」




「ありがとぉ！」



治くんは嬉しそうに受け取ってくれた。なんか耳としっぽが見える気がするけど多分気のせいかな、うん。




「…うまっ！A料理得意なん？めっちゃうまい！」



えっ！？もう食べてる？！いつの間に食べてたの…？！てか一口でかくない？



「あ、ありがとう！料理はそんなに得意じゃないけど…」



「そうなん？また作ってきて欲しいわぁ。あ、せや、次の差し入れは…「サム！！！！！」」



治くんの話を遮って大きな声で割り込んできたのは宮侑くんだった。




「なんで差し入れ食っとるん？！危ないって言うたやろ！！！！…って、Aちゃんやん」

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