自販機事件【北信介】

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「治」




宮くんが急に自分の名前を自分で呼んだのでびっくりして…というか意味がわからなくて
？を浮かべることしかできなかった




「…？？？」




「宮くんやと2人いるからわからん。治って呼んでや。」



宮くんは急に顔を近づけて、そう言った。いくら宮兄弟に興味ない私でも、こんなイケメンに顔を近づけられるとまあドキドキする訳で。




「お…、治…くん」



精一杯心を落ち着かせながら私は宮くんの名前を呼んだ。多分緊張して声が震えてたと思う。



「フッフ、呼び捨てでええけど？」




「まだ呼び捨てできるような仲ではないと思う…ので、ごめん」



近い近い近い！！！！！顔が近い！！！！！




「ほな俺、呼び捨てでもええ？」



治くんは話を聞いていたのだろうか…。まあ私は自分がどう呼ばれようとあんまり気にしないタイプだからいいけど………



「あーうん。どうぞご自由に」





「差し入れ楽しみにしとる。また明日な、A」




そう言って治くんは部活に向かおうとしていた。何か一言くらいは言わねばと思い焦って治くんに話しかけた






「部活っ…！頑張ってね、ばいばい」





治くんは少し驚きながらも手をひらひらと振り部活に向かった。




なんか嵐みたいに急に来て急に去っていったな……。






この日は北先輩への差し入れを考えるのと同時に、治くんへの差し入れも考えていた。お腹が減る…かぁ…。とりあえず北先輩への差し入れはクッキーってもう決めてたからなぁ。お腹が膨れるお菓子ってなんだろ？噛む回数多いものの方がお腹いっぱいになるって聞くし、ビスケットとか？いやでもあれ本当にお腹膨れるの…？





「…あ、あれならお腹膨れそう」

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