夜の花びら

第十五話　意味 ページ27

おらふくんside

Aちゃんに口付けされてから数日経った。
会いたくなかったわけじゃない。
ただ、怖かった。

あのとき触れたAちゃんの唇は、柔らかかったけど、何より冷たかった。
Aちゃんと繋いだ手はいつも暖かかった。
なんというか、安心できるような？

だから冷え性ではないはずなのに。
だってキスする時ってもうちょっと緊張しない？

顔が真っ赤になったり、心臓がバクバクしたり。

でもAちゃんはおかしいほどに冷たかった。
それはなにを意味するのか。

多分Aちゃんは俺は好きじゃない。
おんりーが好きなんだ。

あのキスがどういう意図でされたのかはわからないけど。
でも俺は、自分よりも好きな人を大切にしたい。

だから今日聞くんだ。
ちょっぴり緊張するけど。

あの口付けの意味を教えて＿＿


〜少年移動中〜


ついに着いたおんりーの家。
正面から入るのは気まずい。
どうせ玄関でおんりーと鉢合わせて追い出されるのがオチだろう。

侵入は慎重に…
まずはLINEを開き呼び出しをする。

ここは初めの難関だ。
この前あんなことがあったばかりだし、出てきてくれるかもわからないけど。
ここはかけてみるしかないよね！
俺運だけはいいから！
おらふくん今時間ある?ちょっと話したいことがあるからカフェでも行かない?
ここでさらに追い討ち。
Aちゃんが出てきやすいように釣る。
おらふくん良かったら奢るよ!
いや今考えればこれナンパしてるみたいじゃんかやばいやばい。
すると既読の文字が！

Aいいよ。今からおらふくんの家行けばいい?
おらふくん今おんりー家の前にいる!
さらにストーカーっぽくなったけど大丈夫か？通報されない？
俺はショウジキナショウネンデスヨ〜…

Aおk。今行く
数分もしないうちに玄関の扉が開き、Aちゃんの姿が見えた。
いつもと違う凝った女子力満点の服装に、唇には薄いリップのようなものを塗っている。

これじゃあデートみたいやん…
そう思いながらもAちゃんに声をかける。

or「Aちゃん、じゃあ行こっか。」

ns「…うん、行こう。あと一応おんりーには買い物行くって伝えといたけどよかった？」

話がわかる模様。
多分この先の会話も、予想がついているのだろう。


＿＿＿＿
あとがき
はい、これで第十五話は終わりです！
時間ない！
では、さよなら！(ヤケクソ)

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