実力者達 ページ6
クラスメイトを殺したくない…
彼女が脳無の半身を吹き飛ばしたとはその場にいた蛙水さんに聞いた。
確かに彼女の個性なら可能なのだろうが…
万有さんが大量の血を流して気絶したと警察の人は言っていた。
上限突破するとそうなるの…？
とにかく…このナイフはホントにいざって時にだ。
霧咲は腰のベルトにナイフをしまった。
万｢いくぞ｣
万有はまた一瞬の間に霧咲の間合いに入り、拳を振った。
が…霧咲はまたそれを躱して距離をとった。
万｢(実力者ってのは知っていたが…何故こうも躱される？)｣
万有は不審に思っていた。
いくら反応速度が早かったとしてもこんなにも避けられるのはおかしかった。
今だって間合いに詰めるのにかかったのは1,2秒だ…
霧｢重力操作…そこまで速く動けるとは知らなかった｣
霧を使っているのか？
いや…それっぽいのはない…
じゃあ何で…
霧｢今度はこっちからいくよ｣
霧咲は万有に向けた手を思いっきり握った。
すると、
万有の体が何かに縛られる様に重くなった。
万｢な…！
…ちっ！｣
霧｢…やっぱり薄かった｣
重くなったが…動けない程ではない。
万有は周りを薙ぎ払うように腕を振る。
すると縛られる感覚がなくなった。
霧｢…一旦下がろう｣
霧咲はふくらはぎから霧を噴射し、障害物が密集する方へ下がっていった。
霧｢もうプランが殆ど崩された…｣
霧咲はある位置を目指してひたすらに進んだ。
重力を操る…あそこまで厄介だとは思わなかった。
あの脳無を壊したのも納得だ。
でも…
霧｢速くて威力も高い分…
動きが単純だった｣
初手取られた時はホントにギリギリだったけど、2発目からは動きがよく分かる。
私の霧は私の神経と繋がっている。
つまり霧が揺らげば霧咲にその動きや軌道…動くものは何でも丸わかりだった。
さっきのも1%以下の薄さであったが半径8mに霧を撒いていたので万有の動きに対応出来た。
ちなみにこれはまだ誰にも話してない。
万有が知るはずもなかった。
霧｢ここで…いいかな｣
より鉄骨などが密集する位置に来た所で止まった。
背後を見ると僅かに障害物が浮いているのが見えた。
霧｢来てるね…濃度30…｣
恐らくまた一直線に来てる…
霧咲は両手から左右に向けて霧を放った。
すると万有が視界に入る…
霧｢…今！
ﾞ鎖霧錠ﾞ｣
左右に放った霧が鎖の形に変化し、
上の鉄骨に引っ掛け…万有の頭上に落ちていった。
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作者名：アリス x他1人 | 作成日時：2020年9月22日 14時
