夢を求めるヒーロー科〈ヒロアカ／合作〉 (ページ11)

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鉄分飴ページ11

まだ少し、いやかなり重たい体を引きずりながら万有と霧咲は教室へ向かっていた。
二人が保健室にいる間にどうやら訓練は終わっていたようだ。

きっとだれもいないだろう、とドアを開けた途端、鼓膜が破れるかというくらいの声量が二人に襲いかかった。

「二人とも！！あの戦いめっちゃすごかっ」「あんなマジなの初めて見」「万有ちゃん、また血をたくさん出したの」「霧咲もすごかったぜ！！漢ら」「霧咲さんは女の子だよ」

それぞれが喋り出すため頭がぐわんぐわんしてきた。

万有は痛む頭を押さえてふらふらと自分の席に行く。賞賛は嬉しいが、今だけはやめてほしい。

「万有、大丈夫？はい、鉄分飴」

ガサガサとお茶子がポケットから飴を取り出した。万有はお礼を言いながらそれを受け取る。

「体調はどんな感じ？しんどくない？」

「うん、大丈夫。ありがとう」

不安そうに眉を下げるお茶子に申し訳なさがこみ上げてきた。
万有はお茶子の頭に手を乗せて、優しく撫でた。

「ありがとう、お茶子」

お茶子はぽっと耳を赤くして顔を手で覆った。